深川麻衣:女優としての“現在地” 連ドラ主演に朝ドラ…「30歳に向けての過ごし方が大切」

連続ドラマ「日本ボロ宿紀行」で主演を務める深川麻衣さん 撮影:三澤威紀
1 / 7
連続ドラマ「日本ボロ宿紀行」で主演を務める深川麻衣さん 撮影:三澤威紀

 放送中の連続ドラマ「日本ボロ宿紀行」(テレビ東京、金曜深夜0時52分ほか)で主演を務める女優の深川麻衣さん。深川さんといえば、人気アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーとしても知られ、グループを卒業してから今年の6月で丸3年を迎える。昨年公開の「パンとバスと2度目のハツコイ(パンバス)」で映画初主演を果たし、今年1月からはNHK連続テレビ小説「まんぷく」にも出演と、一歩ずつ着実に女優としてステップアップしている深川さんの“現在地”とは? 「演技の幅や引き出し、自分にはまだまだ足りないものばかりです」と明かす深川さんに話を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇主演という言葉やその響きはとても大きくて…

 「日本ボロ宿紀行」は、人生の再起を懸けて営業の旅に出た一発屋の歌手・桜庭龍二(高橋和也さん)と亡父から芸能事務所を引き継ぎ、龍二のマネジャーを務めるボロ宿好きの主人公・篠宮春子(深川さん)が織りなす、異色のロードムービー風ドラマ。

 地上波の連ドラ初主演となった深川さんは、「主演という言葉やその響きはとても大きく感じました。責任も伴いますが、どれだけ作品を大切に思い楽しんで撮影しているか、見ている人にはきっと伝わるので、その場を楽しむということに重きを置きました」と明かす。

 劇中では龍二役の高橋さんと至る所で2人芝居を繰り広げている深川さん。「高橋さんとは今回『初めまして』だったので、撮影以外の関係性もすごく重要になってくるなって思ってはいた」といい、「第1話の最後に顔を近づけ合って、2人が感情をぶつけ合うシーンがあって、そこの撮影から距離が一気に縮まっていったんです」と笑顔を見せる。

 さらに深川さんは「言葉の掛け合いやテンポを最初は頭で考えながら演じていたのですが、どんどん龍二と春子として会話ができて、アドリブも入れられるようになっていくのを肌で感じられたのは、女優としてすごく幸せなことだなって再確認しました」とうれしそうに語っていた。

 ◇マネジャーと「パンバス」監督から言われた「もっとわがままに」の意味 

 「日本ボロ宿紀行」の春子に限らず、深川さんが役と向き合うにあたって“核”にしていることは何なのか。「ある意味、逆の答えになってしまうかもしれませんが、自分を信じすぎないことです。ものの見方や価値観は人それぞれなので、台本をもらって演じる人がどういうところを大切にして、どういうことが許せないのか、必ず一度想像しますが、そこに頼りすぎない。自分の考えにとらわれすぎないようにと常に意識しています」と持論を披露する。

 その一方で、作品を重ねることにより、役を演じることへの思いの変化はあったのだろうか。「乃木坂46」卒業後、現在の事務所に所属してすぐと、映画「パンバス」に出演した際、担当マネジャーと今泉力哉監督のそれぞれから「もっとわがままになっていい」と同じアドバイスをもらったという深川さん。

 「それまでは、監督が求めるものに応えることこそがこのお仕事だと思っていましたが……。いい子でいたという自覚はないし、自分なりに言いたいこと、伝いたいことを言葉にしてきたつもりでしたが、もっとこのお仕事や役に対して貪欲になっていいんだって、腑(ふ)に落ちたというか。女優になって『誰が演じても同じ』と思われてしまうのは、これほどショックなことはないですし、今回だと、とくに春子を演じさせていただいた意味、自分にしか出せないものは何かを考えて表現することが、そのまま役をいただけたことへの恩返しになるのかなと考えるようになりました」と変化を語ってみせた。

 ◇これから先どうなりたいのか、何をしたいのかを考えなくてはいけない時期

 今後に向けても「まずは目の前にあるものにすべてを懸けて、ひとつひとつが流れ作業にならないように、今やっているものが最後になるかもしれないという気持ちでぶつかっていかないといけないなって感じています」と言い切る深川さん。

 「そのときに出せる精いっぱいでぶつかったものが、次へとつながっていくと思っているし、まずは目の前にある作品ですべてを出すということに集中して演じています。同時に、これから先どうなりたいのか、何をしたいのかということも考えなくてはいけない時期かなという思いもあります。3月で28歳になるのですが、30歳に向けての過ごし方は仕事の面でも一人の女性として、とても大切にしたいと思っているので、日々を豊かに過ごしていきたいというのが目標です」と力を込める。

 次から次へと新しい才能が出てくる世界でもあるため「もちろん焦りはある」というが、「同年代でも子役、十代から経験を積んできた方もいますし、次から次へと実力のある方が出てくる世界なので、そこに対して『自分ももっと頑張らないと』という気持ちはあります。でも、自分としては焦らずに、勝手にほかの人と比べたりしないということを大切にしています」と、深川さんはほほ笑んだ。

写真を見る全 7 枚

テレビ 最新記事