新型コロナウイルスに感染し闘病していることを公表したタレントの志村けんさんが、初主演映画「キネマの神様」(山田洋次監督)の出演を辞退したことが3月26日、明らかになった。所属事務所のイザワオフィスと配給会社の松竹が発表した。12月に公開予定だったが、新たな出演者や撮影スケジュールなどは、現時点で協議に至っていないという。
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イザワオフィスの井澤健社長は「今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました。それだけに、山田組の皆様にご心配とご迷惑をおかけすることになってしまい、志村も私共も、大変申し訳なく思っております。そこでこのたび、出演を辞退させていただくことにいたしました。作品のご成功を心よりお祈りすると共に、志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせていただくことを願っております」とコメント。
松竹の大角正常務取締役映像本部長は「出演ご辞退のお申し出をいただき、大変残念でなりません。しかしながら、治療に専念いただくことを山田監督も望んでおり、お申し出をお受けすることとさせていただきました。山田組一同、いつかまた志村さんとご一緒できることを強く願っています。そしてなによりも、志村さんが一日も早くご回復されることを、心よりお祈り申し上げております」とコメントを寄せている。
映画は、1920年に松竹の前身となる松竹キネマ合名社が設立され、今年で100周年を迎えることを記念して製作。同年は、数々の名作を製作した映画スタジオの蒲田撮影所が開所した年でもある。原作は人気小説家の原田マハさんが自身の家族、経験を基に書き上げた「キネマの神様」(文春文庫)で、松竹らしく“家族”をテーマに描く。
志村さんが演じる予定だったのは、無類のギャンブル好きで、妻・淑子(宮本信子さん)や家族に見放されたダメ親父のゴウ。若き日のゴウを、ダブル主演の菅田将暉さんが演じると発表されている。
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