全米オープンテニス:きょう開幕 西岡良仁選手、綿貫陽介選手、ダニエル太郎選手、島袋将選手が意気込み

西岡良仁選手
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西岡良仁選手

 テニスの2023シーズンのグランドスラム第4戦「全米オープンテニス」が、8月28日に開幕する。大会の模様は、WOWOWで連日生中継される。開幕を前に、男子シングルスに出場する西岡良仁選手、綿貫陽介選手、ダニエル太郎選手、島袋将選手が意気込みを語った。初戦では、西岡選手はスイスのスタン・ワウリンカ選手、綿貫選手はフランスのアドリアン・マナリノ選手、ダニエル選手はフランスのガエル・モンフィス選手、島袋選手はフランスのユーゴ・ガストン選手と対戦する。綿貫選手、島袋選手は大会1日目、西岡選手、ダニエル選手は2日目に登場予定。

ウナギノボリ

 ◇西岡良仁選手

 ――現在の左肘や体の状態をお聞かせください。

 肘は変わらずの状態で、(ボールを)打てなくはないけど全力で打てないという感じです。特にサーブです。バックサイドの肘を伸ばして打つスライス、片手を使ってのロブとか打てないので制限はけっこうあると思います。

 ――勝てない時期が続いていましたが、自分でどのように切り替えてきましたか?

 全仏オープン以降はけがもあったので、ウィンブルドンに関してほとんど練習してないですし、治るまではなかなか難しかったと思います。自分の理想のベストの形は取れてないのが現実で、その中でなんとかいろいろうまくやれている方ではあると思いますけれど、うまく勝ち負けにつながってこない。テニス自体は悪いとは思っていないです。

 ――そういう中での今年最後のグランドスラム、今の心境をお聞かせください。

 最近勝ってないのは気持ち的に落ちているところはありますけど、コート上でテニスが楽しいかと聞かれればそうでもないです。そういった中で試合に出ないといけないから試合もするけど、良い試合も多いです。特に(ATPツアーマスターズ1000シンシナティ2回戦で敗れた)ズベレフ戦も勝てるような試合の内容だったと思います。自分の感覚としてはそれがうれしいかと言われればそういう感覚ではなく、今はすごく難しい感情の中でテニスをやっています。一番の問題は、テニスの技術うんぬんではなく、コート上でテニスを楽しめていないところです。

 ――楽しくないのは、けがもあって自分のテニスができないことが原因ですか?

 もちろんそれはあると思いますが、勝ち負けはあまり気にしていないです。シンシナティで1回勝って良かったですけど、根本はそこではないと感じました。果たして何がどういう風に改善できるか難しいですけど、自分の中で大きな要因となったのがランキングやシードのことを気にしすぎていたことです。うまくいっていた自分のペースを崩してまで頑張ろうとしていたので、僕の中ではオーバーワークが多かったと思います。

 ――1回戦の相手はワウリンカです。どのような戦いになりますか?

 最近やってないので全然分からないですし、前回負けた時はだいぶ前なので、その時のイメージはちょっと違います。ワウリンカも正直、そんなに上がってはいないし、僕の中で持っている当時のイメージと、ワウリンカのギャップは絶対あると思います。過去の対戦の中でもボールの球威などに関しては、ピカイチの選手でした。押されるボールが多いと思いますけど、比較的ゆっくりプレーをする選手ではあるのでラリー戦になるかと思います。ラリー戦になってからが勝負です。

 ◇綿貫陽介選手インタビュー

 ――初めての全米オープン本戦出場です。どのような大会になると思いますか?

 予選から上がって来た時は勝ち上がってきた自信もありますし、コートやボールなど環境に慣れている強みがあります。今回は本戦にダイレクトなので自分に期待をしますし、とにかく勝ちたい気持ちが強いです。正直、緊張はしています。

 ――メンタルなど予選から上がってくるのと違いますか?

 そうですね。予選を上がって来た時はやるぞっていう気持ちが強く、アグレッシブにプレーすることができました。今もやることはそんなに変わらないと思いますが、少しナーバスになる部分もあります。ただ、それもグランドスラムにおいては良いことだと捉えるようにはしています。

 ――今のテニスの調子はいかがですか?

 テニスの調子は過去一番いいと思います。ランキングもそれに伴って上がっていると思うので、そこに関しては自分の中でもすごく自信はあります。不安はありますけど、良い準備はできたと思っています。

 ――1回戦の相手は第22シードのマナリノです。どういう印象を持っていて、どういう戦いをしますか?

 結構ムラがあるようなイメージが強いですし、チャンスは絶対あると思います。今年は左利きの対戦が僕は結構多く、勝率もそんなに悪くないです。トップレベルの選手と対戦できる機会は毎回楽しみなことなので、今はどっちかというと、テレビで見た選手と戦える喜びが強くある状態です。

 ――全豪もウィンブルドンも1回戦を突破しましたが、全米の目標を教えてください。

 2回戦を突破できないので、2回戦が一つ課題になってくると思いますが、グランドスラムは1回戦から本当に大変です。本戦の1回戦を勝つことが僕にとっては一番大きいことになってくると思うので、まずは1回戦を全力で頑張っていきたいと思います。

 ◇ダニエル太郎選手インタビュー

 ――本戦出場を決めた今のお気持ちを聞かせてください。

 本当にいいプレーができました。雨ですごく待たされた日だったので、とても緊張しながら一日を過ごしてきたんですけど、緊張しながらでも逆に一番いいプレーができました。相手は若い選手で上がってきているプレイヤーなので、とてもボールの威力も強かったし、それを抑えきることはすごく大事だったと思います。

 ――予選を振り返ってみて、今の調子を教えてください。

 予選の選手は誰でも本戦に上がって試合に勝てるレベルの選手でもあるので、ノンプレッシャーで出てくるような選手に対しても、ちゃんと抑え切れる能力をつけてきた自分を褒めてあげたいと思います。本戦はこれから始まるので、しっかりと次の試合に向けて準備します。

 ――ウィンブルドン以降、いいテニスができていると思いますが、ご自身はどのように感じていますか?

 最近はハードコートのほうが好きになってきたかもしれないのが、この数年間での気づきかもしれないです。シーズン中は好不調の波があるので、一喜一憂せずに流れに身を任せるしかないということを実感しています。

 ◇島袋将選手インタビュー

 ――ウィンブルドンに続いてグランドスラム本戦出場、今のお気持ちから聞かせてください。

 (予選決勝は)最後までどうなるかわからない試合展開でした。最後のゲームも1ポイント目からすごく緊張していましたが、最後まで自分のテニスを信じてやることができたので、この勝ちにつながったと思います。本当にうれしいです。

 ――予選とはいえものすごい応援でした。全米の雰囲気で戦ってみてどうですか?

 1回戦から独特な雰囲気で盛り上がって、たくさんのお客さんの前でテニスをできるのもすごく嬉しいというか、それを力に変えることが今回もできました。本当に多くの人に感謝したいです。

 ――本戦ではどんな気持ちで戦い、どんなプレーを見せたいですか?

 自分らしいテニスを貫き通したいです。ウィンブルドンでは悔しい思いをした分、今回は本戦で自分の力をどれだけ発揮できるか、そこが勝負だと思います。

 *……WOWOWライブでは、8月28日から9月11日まで「全米オープンテニス」を生中継する。WOWOWオンデマンドでは、日本人選手の全試合をライブ配信する予定。

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