9日公開の映画「シグナル~月曜日のルカ~」で、主役の座を射止めて女優デビューする注目の新人・三根梓さん。さわやかで透明感のある佐賀県生まれの20歳だ。同じく九州出身の「田中麗奈さんが目標」と語る三根さんに、初演技の苦労や映画の見どころ、大学生としてのプライベート、そして気になる恋愛観を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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「シグナル~月曜日のルカ~」は、「時をかける少女」の谷口正晃監督が手がける恋愛ミステリー。三根さんは、映画館で映写技師として働く、秘められた過去を持つミステリアスなヒロイン・ルカを演じる。映写助手として臨時バイトで訪れた大学生の恵介とのひと夏の恋や、恵介のいちずな優しさによってルカが自分の過去を乗り越える姿がみずみずしく描かれており、恵介役にはダンス・ボーカルグループ「AAA(トリプルエー)」の西島隆弘さん、ルカの過去を知る謎の男・レイジ役で俳優の高良健吾さんが出演している。
芸能界に入って初仕事となった今作を、「分からないことだらけで、最初はできなくて悔しいことばっかり。泣いてしまったり、つらい思いもたくさんありました」と振り返る三根さん。「でも、監督や共演者の方、スタッフの方がすごく優しくて。本当に温かい現場で、たくさんの人の支えがあったお陰で最後まで逃げ出さずに全力で走り切れました」と感謝の言葉を口にする。
外見から穏やかで清楚(せいそ)なイメージを受ける半面、小学校から高校までバレーボール部に所属しスパイカーとして活躍した活発な一面を持つ三根さんは、映画の撮影でも持ち前の「負けず嫌いな性格」を発揮した。「監督から『今日、全然ダメだった』とか『正直がっかりしました』っていわれて本当にショックで。でも、いろんな方から『怒ってもらえるのは梓に可能性を感じてるからなんだから、ありがたいことだよ』って励ましてもらいながら、『じゃあ次の撮影では、監督をギャフンといわせてやる』『監督のこと、驚かせてやる』って、心が折れずに自分の中で気持ちを切り替えました」と振り返る。
そして、ようやく完成した作品の見どころを「登場人物それぞれが自分の過去だったりつらい部分としっかり向き合って、一歩前に踏み出す成長記でもあり、その中でひと夏の恋が描かれた、初恋の甘酸っぱさを思い出させてくれるような恋愛映画です。“キュン”としたいなっていう方々に、見ていただけたらすごくうれしいです」と笑顔でメッセージを送る。
三根さんの初恋話を聞くと、「保育園のときに、すごく人気だった男の子に私も便乗してバレンタインチョコを渡したのは覚えてるんですけど、でもそれが誰だったかは思い出せない(笑い)。なんか、そのときからバレンタインデーにチョコをあげるっていう……乙女じゃないですけど、そういうところがあったのかもしれないです」とはにかみ、その後の恋愛については「大人になるにしたがって、シャイになってしまったかも(笑い)。自分では不器用なんじゃないかなって。ルカも、恋愛に器用な女の子ではないと思うので、ちょっと自分と似ているのかなって。私だったら、こういうふうに動くかもしれないなって自分に重ねながら演じていました」と“恋愛ベタ”な役柄との共通点を明かした。
三根さんは、現在、早稲田大の3年生。「授業に出て、お昼は大学の近くのお店でご飯を食べて、また授業に出て……。授業が早く終わったらそのままカラオケに行ったり……。本当に普通だと思います」とキャンパスライフを語る。カラオケが昔から好きで、「うまいとかそんなんじゃないですけど、大きな声で歌うのが気持ちいいですね」といい、「RADWIMPS(ラッドウィンプス)さんや、ELLEGARDEN(エルレガーデン)さんとか、男性のバンドが好きで、よく歌います」と生き生きと話す。
故郷の佐賀で暮らす家族も、東京で活躍する三根さんを応援している。「父は映画の完成披露試写会に佐賀から遠征して来てくれて。それで『大きなスクリーンで娘が演技をしたりしてるのを見るのは恥ずかしい』って言ってたんですけど、でも喜んでくれているみたいです。二つ下の弟とは、直接こういう話はしないんですけど、この間、父から弟も『映画楽しみにしているみたいだよ』っていうのを聞いて『あーそうなんだ』と思って。やっぱりうれしいですね」と笑顔で話す。
そして、地元にいるころからずっとあこがれの存在が、事務所の先輩でもある田中麗奈さん。実際、会ってみてさらにその思いが強くなったといい、「お芝居の相談をするといろいろアドバイスしてくださったり、温かく接してくださって。そういう部分もすごく尊敬しているというか。女性としても、麗奈さんのような堂々としていて、すごく温かい女性に私もなりたいなと思いました」といい、「私も麗奈さんのように、たくさんの人々の心を動かせるようなお芝居ができるよう、これからもっと努力していきたいと思っています」と意気込む。
さらに、三根さんは5月から人気ファッション誌「non−no」(集英社)の専属モデルとしてもデビュー。「モデルのお仕事もできるなんて思ってもいなかったです。私も読んできた雑誌だったので、最初は信じられなくて。でも、自分があのモデルさんたちと一緒に誌面に出させてもらえるんだと思うとうれしいですし、もっともっとモデルの先輩方の姿を見てたくさん吸収していきたいなと思っています」とさらなる飛躍を目指していた。
<プロフィル>
みね・あずさ。91年12月21日生まれ、佐賀県出身。9日公開の映画「シグナル~月曜日のルカ~」で主演デビュー。女性ファッション誌「non−no」の専属モデルに起用され、5月発売の7月号からモデルとしても活躍中。そのほか、幻冬舎の「幻冬舎文庫」やダイキン工業のエアコン「ラクエア」と「うるるとさら」の新イメージキャラクターに起用され、ケンタッキーの「新レッドホットチキン」のCMにも出演している。映画公開日と同日に、映画のその後をイメージした、初の写真集「三根梓」(ワニブックス)も発売。
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