注目映画紹介:「楽園追放」 虚淵×水島精二のオリジナルアニメ  派手なバトルと重厚なテーマ

「楽園追放 −Expelled from Paradise−」 (C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ
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「楽園追放 −Expelled from Paradise−」 (C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ

 「魔法少女まどか☆マギカ」「仮面ライダー鎧武」などの虚淵玄(うろぶち・げん)さんが脚本を手がけた劇場版アニメ「楽園追放−Expelled from Paradise−」(水島精二監督)が15日に公開される。虚淵さんと「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」などの水島監督が初めてタッグを組んだオリジナルアニメで、3DCGによる派手なバトルシーンを描きつつ、人間の尊厳などをテーマとしたSF作品に仕上がっている。

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 映画は、人類の多くが電脳世界・ディーヴァで暮らす世界を舞台に、電脳世界から飛び出したシステム捜査官のアンジェラが謎のハッキングの狙いを探っていく姿を描く。アンジェラは、ディーヴァのシステムにエラーが発生した際、トラブルを解決するシステム捜査官で、フロンティアセッターと名乗る謎のハッカーを捜すために、“地上世界”に飛び出す。地上世界では、エージェントのディンゴとともにフロンティアセッターを捜すことになる。

 アンジェラは、地上世界のルールに戸惑い、飄々(ひょうひょう)としていて何を考えているのか分からないディンゴにも不信感を抱く。しかし、ディンゴの人間性に触れる中で、徐々に地上世界を理解していく。電脳世界はユートピアのように見えるが、人間の尊厳が侵害され、管理されたディストピアなのかもしれない……とアンジェラの心の揺れ動きが描かれる。

 テレビアニメでも、メカだけでなくキャラクターを3DCGで描いた作品が増えつつあり、“セルルック”と呼ばれるセルアニメに近い表現ができる手法が注目されている。中には動きがヌルッとしていて違和感のある作品もあるが、「楽園追放」のキャラクターはセルルックによって、“自然”に躍動しつつ、豊かな表情を見せている。また、ミサイルが飛び交う激しいロボットバトルも見どころだ。

 釘宮理恵さんがアンジェラ、三木眞一郎さんがディンゴ、神谷浩史さんがフロンティアセッターの声を担当し、東映アニメーションが製作。15日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/毎日新聞デジタル)

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