映画「ちはやふる」:かるたの甲子園・近江神宮で撮影 広瀬すず「熱量すごい」

全国高校かるた選手権を開催中の近江神宮で映画「ちはやふる」を撮影 (写真左から)森永悠希さん、矢本悠馬さん、野村周平さん、広瀬すずさん、真剣佑さん、上白石萌音さん、小泉徳宏監督
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全国高校かるた選手権を開催中の近江神宮で映画「ちはやふる」を撮影 (写真左から)森永悠希さん、矢本悠馬さん、野村周平さん、広瀬すずさん、真剣佑さん、上白石萌音さん、小泉徳宏監督

 女優の広瀬すずさんが映画初主演する、かるたを題材にした人気マンガが原作の実写版「ちはやふる」(小泉徳宏監督)の撮影がこのほど、全国高校かるた選手権が行われている近江神宮(大津市)で行われた。主人公・綾瀬千早になり切るためにエクステをつけたロングヘアで袴姿の広瀬さんは「ずっとボブだったけれど、(ロングにすると)役にすごく近くなれて楽しい」といい、大会に参加する高校生たちを見て「開会式では笑顔も見えたけれど、結構激しい競技で熱量がすごい」と同世代のかるた部の高校生たちに共感を寄せていた。

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 千早の幼なじみの真島太一を演じる野村周平さんは「近江神宮を見て感動してびっくりするというシーンの演技は、普通にそう思ったので素直に演じることができた」と撮影の感想を語った。千早と太一をかるたの世界へ引き込む綿谷新を演じる俳優の千葉真一さんの息子の真剣佑(まっけんゆう)さんは「試合をする現場で撮影できるのはぜいたくだし、かるたをしない人には縁がない場所だと思うのでラッキー」といい、小泉監督も「去年もこの時期にここに来て、情熱を感じた。かるたの甲子園のような場所なので、ここで撮影しなきゃいけないと思った部分はある」と熱く語った。

 「ちはやふる」は、末次由紀さんが2007年から女性マンガ誌「BE・LOVE」(講談社)で連載。主人公・綾瀬千早が、転校生の綿谷新との出会いを通じて競技かるたの魅力に目覚め、幼なじみの真島太一らかるた部の個性的なメンバーたちとともにかるたに情熱を燃やす姿を描いている。「マンガ大賞」など数々の賞を受賞しているほか、11、13年と2度にわたってアニメ化され、人気を博した。コミックスは27巻まで発売されており、累計発行部数は1200万部以上を誇る。

 映画には広瀬さん、野村さん、真剣佑さんのほか、上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希さんらが出演。また、かるたクイーン・若宮詩暢を松岡茉優さん、千早が通う瑞沢高校教諭を松田美由紀さん、千早の百人一首の師匠・原田役を國村隼さんが演じる。

 1年前まで米国で暮らしていたという真剣佑さんは、福井県出身の新を演じるにあたり、「福井に2週間合宿して、福井弁とかるたの勉強をした。会話のシーンが大切なので焼き肉屋でアルバイトもした。かるたも新は一番強い存在でなければならないので、まず100枚を覚えるところから始まって、名人に見える構えを目指した」と役作りのために努力を惜しまなかったという。

 かるたのシーンの撮影はハイスピードカメラなどを駆使して相当数のカットを撮った。練習もかなりしたといい、広瀬さんは「最初は足の甲の皮がむけて、甲と膝が真っ黒になった。痛かったけど負けずに(札を)取りました。ちょっとでも本物に近づきたいと思って撮影の合間にはいつも素振りをしていました」といい、野村さんは「A級選手にスピードで勝ったこともある」と練習の成果に胸を張った。映画は2部作で、「上の句」が2016年3月、「下の句」が同4月に公開される。

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