注目映画紹介:「映画 みんな!エスパーだよ!」 世界を守る戦いを少しエッチでコミカルに描く

「映画 みんな!エスパーだよ!」のワンシーン(C)若杉公徳/講談社(C)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会
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「映画 みんな!エスパーだよ!」のワンシーン(C)若杉公徳/講談社(C)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

 俳優の染谷将太さんが主演を務め、2013年4月クールに放送された深夜ドラマの劇場版「映画 みんな!エスパーだよ!」(園子温監督)が4日に公開される。「みんな!エスパーだよ!」は、マンガ「デトロイト・メタル・シティ」の作者・若杉公徳さんのマンガが原作。今春にはスピンオフ特番が放送されたほか、現在、dTVオリジナルのドラマ(全3話)が配信中だ。映画では、真野恵里菜さん、深水元基さん、安田顕さんらテレビシリーズのメンバーに、池田エライザさんや高橋メアリージュンさんが加わり、人類滅亡を企てる悪のエスパーたちとの対決をお色気シーンを交えつつコミカルに描いている。

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 運命の出会いを夢見る平凡な高校2年生の鴨川嘉郎(染谷さん)は、ある日、突然人の心の声が聞こえるテレパシー能力に目覚める。能力に困惑する嘉郎だが、やがて幼なじみのヤンキー女子高生の平野美由紀(池田さん)や、喫茶店マスターの永野輝光(マキタスポーツさん)ら、ほかにも超能力に目覚めたエスパーがいることを知る。時を同じくして超能力研究者の浅見教授(安田さん)が東京からやって来て、世界に危機をもたらそうとしている悪のエスパーがいることを告げ、嘉郎たちエスパーが集められ立ち向かうことになるが……というストーリー。

 主人公たちがエスパーに覚醒するきっかけや、ドラマ版から話題を集めていたパンチラなど、奇抜さとお色気が混ざり合った“とんでも設定”は、バカバカしさを追求した独特のノリを生み出している。マンガ原作でドラマ化を経て映画化だが、仮に未見であったとしても、物語の冒頭で超能力に目覚める経緯をはじめ、必要な知識を説明してくれるので、安心して世界観にのめり込める。そういった細かい設定は置いておき、ノリとお色気シーンを、深く考えずにリラックスして堪能するのが、今作を最も楽しむコツといえる。正義の味方とセクシーという相容れないような要素の組み合わせに、友情や愛、さらにはサスペンス要素も盛り込まれ、それらがコメディータッチで描かれていく展開は、好みが分かれるところだが、目くじらを立てずに楽しんでほしい。歌手の岡村靖幸さんが書き下ろした主題歌「ラブメッセージ」が抜群でグッときてしまう。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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