注目映画紹介:「猫侍 南の島へ行く」 北村一輝主演の時代劇第2弾 侍と白ネコが南の島で大冒険

「猫侍 南の島へ行く」のワンシーン (C)2015「続・猫侍」製作委員会
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「猫侍 南の島へ行く」のワンシーン (C)2015「続・猫侍」製作委員会

 侍とネコのコンビが話題を集めた人気時代劇シリーズの劇場版第2弾「猫侍 南の島へ行く」(渡辺武監督)が5日に公開される。「猫侍」は“まだら鬼”の異名を持つコワモテの剣豪・斑目久太郎(北村一輝さん)が、白ネコの玉之丞(あなご)と交流しながら変化していく姿を描くシリーズで、最新劇場版は、剣術指南役の誘いを受けた久太郎が玉之丞を連れて土佐を目指すも、謎の忍者に襲撃され南の島に流れ着くという冒険と玉之丞と黒猫の恋愛模様も描かれる。ヒロインのお蓮役で映画コメンテーターのLiLiCoさんがゲスト出演している。

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 「猫侍」は2013年にテレビドラマ、14年に劇場版第1作が公開され、今春にはドラマ第2弾が放送された。主人公は無双一刀流免許皆伝の剣豪だが、江戸での仕官がかなわず、故郷で浪人生活を送る斑目久太郎(北村さん)。ある日、久太郎にしゅうとめのタエ(木野花さん)が土佐藩の剣術指南役の話を持ってくる。久太郎は単身赴任に気乗りしなかったが、愛猫の玉之丞を連れて旅立つも、謎の忍者(木下ほうかさん)に襲われ、船に乗り遅れてしまう。なんとか小舟を手に入れた久太郎は、土佐を目指して海へと乗り出すが……というストーリー。

 「猫侍」シリーズは、ネコの可愛さに癒やされる動物ものの要素や、時代劇ながら細かな時代考証なんてどこ吹く風といったライトな作風が魅力なのだが、劇場版第2弾ではなぜか南の島を舞台に、謎の部族や海賊も登場するなど、時代劇としてはあり得なすぎる展開で驚かせてくれる。ここまでくると時代劇と呼ぶには疑問も感じるが、そこはネコのキュートさで乗り切り(?)、こんな時代劇があってもいいのではと笑い飛ばしたい。振り切った演技で楽しませてくれる北村さんが、奇想天外な出来事だらけのストーリーの原案・脚本を手がけているのも興味深い。そして忘れてはならないのが玉之丞で、可愛さと癒やしの雰囲気はもちろん健在だが、その演技も見逃せない。まるで演出に応えているかのような名演技の数々は、思わず引き込まれる。冒険に恋愛にアクションと満喫しつつ、笑って癒やされる雰囲気が心地いい。シネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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