99．9－刑事専門弁護士－：「日曜劇場」史上最も困難な逆転劇　松潤主演、王道エンタメの見どころ

　人気グループ「嵐」の松本潤さんが主演するTBS系の連続ドラマ「99．9－刑事専門弁護士－」が、同局の日曜午後9時のドラマ枠「日曜劇場」で17日にスタートする。同枠で放送されてきた「半沢直樹」（2013年）や「ルーズヴェルト・ゲーム 」（14年）、「下町ロケット」（15年）の系譜を受け継ぐ“逆転劇”で、ドラマの佐野亜裕美プロデューサーは「タイトルにもあるよう99．9％というほとんどのことが決まっている状況、そこから主人公たちがひっくり返すという意味では、今までの日曜劇場と比べて最も困難な、不利な状況からの逆転劇になるのではないか」と語る。ここでは佐野プロデューサーの言葉を借りながらドラマの見どころを紹介する。

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　◇連ドラでは初　刑事専門の弁護士たちの活躍描く

　ドラマは、裁判における有罪率99．9％という刑事弁護の世界に、連ドラでは初めてスポットを当てた作品で、絶対に逆転不可能な状況の中、残された0．1％の可能性にこだわって事実を追求しようとする刑事専門弁護士たちの活躍を描く。松本さんが超型破りな若手弁護士・深山大翔を演じ、主人公とチームを組む弁護士・佐田篤弘を香川照之さんが、立花彩乃を榮倉奈々さんが演じる。扱う事件の半分以上が冤罪（えんざい）に関するもので、深山たちがどうやって被告の無実を勝ち取るかが大きな見どころ。また被告が有罪にはなるものの深山らによって事件の真相、真犯人が暴かれていくケースもあるという。

　佐野プロデューサーは「決して今の司法制度に一石を投じようと思っているわけではない」と前置きし、「刑事事件を専門に扱う弁護士のドラマはこれまでほとんどなかったと思いますし、事件現場にも行けない、被害者やその遺族にも会えない、情報もほとんどもらえないという、圧倒的に不利な状況の中でどう主人公たちが打開していくのか。仕事の内容としての興味深さに加えて、検察という国家権力と一介の弁護士がどう闘っていくかという、その構造の面白さもある」と明かす。

　◇いち押しは「レキシ」こと池田貴史　連ドラ初レギュラーも演技に太鼓判

　そのほかでは深山と、コンビを組むベテラン弁護士・佐田との掛け合いにも注目だ。また松本さんについては、キャストに合わせて脚本を書く「当て書き」をしている部分もあるという。佐野プロデューサーは「松本さんが一回り以上も年上の俳優さんと絡むのは、実はそれほど多くなかったんですね。松本さんの素の可愛らしさや天然さが垣間見える役にもなっていますし、香川さんは、そんな松本さんに振り回されながらも、若者と対等に渡り合おうとしている。ヒロイン役の榮倉さん含めてメインの3人のバランスはとてもいい」と自信をのぞかせる。

　そんな佐野プロデューサーが「遊びの部分」として起用したのが「ラーメンズ」の片桐仁さんと「レキシ」ことミュージシャンの池田貴史さん。特に池田さんは昨年、映画「海街diary」でスクリーンデビューを飾っていたものの、連ドラレギュラーは今回が初。演じるのは深山が下宿する小料理屋の店主・坂東健太で「3回くらい彼のもとに通って口説き落としたんですが、本当にうまい。邪魔にならないアドリブをはさみこんできて“ライブ感”という意味でもドラマの演出にぴったり。最初の撮影を見て『間違いない』と感じました」とその演技に太鼓判を押す。

　◇王道エンタメ×勧善懲悪×逆転劇　「日曜劇場」らしさ満載

　目指したのは「王道のエンターテインメント」で世界観は「勧善懲悪」。そこに「数字上最も困難な逆転劇」という要素が加わる。日曜夜という時間帯にぴったりな作品であることは間違いない。作り手として「『日曜劇場』というのは、いくつかパターンがある」とも明かす佐野プロデューサーは「大きく二つに分けるとヒューマンかエンタメかということになるんでしょうけど、今作は“グッ”とエンタメに寄せています。見てくれた方が嫌な気持ちにならない、ドキドキはするけどモヤモヤはしない。そこはベタでもいいなと」と話す。

　佐野プロデューサーは「ドラマでは主人公たちが真犯人が誰であるか、その真相を暴くところまで描いていますが、現実の弁護士でいうと完全に業務を逸脱する行為」とした上で、「ただ今回はやっぱり見てくれる人のことを考えて、そこはおざなりにはできなかったし、監修の人とも闘った部分。でも、まずは視聴者を大事にしようとブレずにやらせてもらったので、皆さんにはスカッとして次の週を迎えられる痛快な逆転劇を、どうか大いに楽しんでほしいですね」と語る。

　「99．9－刑事専門弁護士－」は、17日から毎週日曜午後9時に放送。初回は25分拡大版。