俳優の高良健吾さんが16日、東京都内で行われた映画「蜜のあわれ」(石井岳龍監督)の大ヒット御礼舞台あいさつに登場。故郷・熊本県がこのほど地震にみまわれた高良さんは、周囲からの気遣いの言葉に、「地元が大変なことにはなっているんですけど、この舞台あいさつに立たない選択肢はなかった。こっちでしかできないこともあるし、あっちでしかできないこともある。自分はいま与えられた仕事がここなので」と気丈に語りつつ、「……不安なんです、本当は……」とつらい胸中を明かした。
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この日の朝、高良さんは「熊本の皆さんへ」と題してブログを更新。自身の家族、友人が無事だったことを報告しつつ、「九州のみなさん心配です 熊本のみなさん心配です」と語り、「熊本の仲間とは明日から益城で炊き出しを一緒にしようと話して動いてたのですが、熊本全域で被害が広がってて、今の時点で空港も高速も機能していないので、今この時点ではどうにもこうにも動けません」とやるせない思いを吐露。「大切な場所で感謝しかない場所で大好きな人達が住んでる場所だから 熊本に自分はなにができるのか常に思うことだから なにが今必要ですか?熊本のみなさん タイミングは見極めて動きます」と語りかけていた。
舞台あいさつには、共演の大杉漣さんと石井監督も登場した。同じく九州、福岡県出身の石井監督は「震災のことがすごく心配。推移を見守って自分に何ができるのかを見極めたい」とコメント。大杉さんは、高良さんを気遣い、「午前中に高良くんとお話ししまして、『高良くん、(今日の舞台あいさつは)どうする?』と聞いたら、『こういうときだからこそ舞台に立ちたい』って。僕も背中を押してもらうようにしてここに来た」と語った。
さらに、この日の最後には、大杉さんが突然、高良さんに陰で語りかけ、「いま高良くんと相談して、みなさんにも写真撮影をしていただく許可をとりました。おそらく今日はそういう日だったんだと思います。高良くんもすごく快く引き受けてくれたので」と暗に熊本地震についてのSNS発信をうながすと、高良さんは「いま写真を撮ってくださっている人は、少しでも熊本のことを気にかけてくれたり、ちょっと何か思ってくれるだけでいいんで。そうしてくれたらうれしいです」と会場に語りかけていた。
映画は、室生犀星の同名小説が原作。金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子(二階堂ふみさん)と老作家(大杉さん)、老作家の過去の女で怪しげな幽霊(真木よう子さん)の三角関係を描いている。
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