中井貴一さん演じる主人公が50歳目前で、子どものころの夢にチャレンジする映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」(錦織良成監督)が29日、公開された。夢を持って生きることをテーマにしたヒューマン作品だ。
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東京の大企業に勤め、取締役昇進まで決まっていた肇(中井さん)は、母の病気と同僚の死をきっかけに故郷の島根に帰ることに。そこで肇は子どものころの夢、故郷のローカル線・一畑電車の運転士になる夢を思い出す。肇は、妻と娘を東京に残して運転士になることを決意、試験を受け、運転士として新たな人生をスタートさせる……というストーリー。
肇の妻(高島礼子さん)も、長年の夢をかなえてハーブ店を開いている。そんな夢を追う中年たちに対して、悶々(もんもん)と就職活動をする娘(本仮屋ユイカさん)や、なりたくてなったわけではない運転士の宮田(三浦貴大さん)ら、若者は夢が見つからない。若い宮田に肇が自分の夢について語るシーンでは、“ウザイおじさん”になりかねないが、中井さんの芝居がいい味を出していて、不思議と嫌な気がしない。対する三浦さんも落ち着いた芝居を見せている。
出世の道に背を向けて、好きなことをやってみる。そんな生き方が、この大不況でどれだけできるだろうか。だからこそ、この映画の主人公の持つ夢は、そのまま、見る人の夢そのものなのである。
電車そのものの描写が面白く、そこだけでも見応えがある。「バタデン」の愛称で親しまれ、島根県東部を走る鉄道「一畑電車」のかんきつ系色の車体が、出雲の緑に映えて美しい。劇中の「デハニ50形」は、鉄道ファンにも愛されている日本最古級の電車で、走行音も心地よく、電車司令室や車両点検のシーン、さらに京王電鉄の訓練センターのシーンも興味深い。電車にこだわって撮っていることが伝わってくる。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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