TBS系の人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」のファイナルとなる第10シリーズの制作発表が15日あり、脚本の橋田壽賀子さん、主演の泉ピン子さん、石井ふく子プロデューサーのほか出演者が出席した。20周年の節目で最終シリーズとなることに、橋田さんは「ファイナル、ファイナルと言われておりますけれど、私の中ではあと1年あるので、何がファイナルだって気持ちがあって、少しムッとしております」と苦笑しながら、「元気だったら100歳まで書いていたいのですが、そうもいかないので来年86歳でファイナルとさせていただきます」と語った。
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「渡る世間は鬼ばかり」は、食事処「おかくら」を経営する岡倉大吉(宇津井健さん)と5人の娘の物語。娘たちの結婚、家庭問題など暮らしぶりを追いながら、それぞれの世代が抱えた問題や悩みを描き、家族のあり方を問いかけるホームドラマ。橋田さんは最終シリーズでは、「絆(きずな)の形が変わった無縁社会の中で、家族でも友情でも愛情があって絆があるということを書きたい」と話し、介護する母親を持つ女性の結婚問題、インターネットでの商取引を「幸楽」でどう扱うかなど、時代を反映したエピソードを盛り込む予定だという。
橋田さんは「ある一つの時代へのメッセージをずっと書かせていただいて、この番組を持たせていただいたのはすごく幸せです。文章で書くよりもテレビでいろんなメッセージを送らせていただきました」と振り返り、石井プロデューサーは「20年前、トレンディードラマが隆盛の時代に、橋田さんと私ができるのは家族のドラマ、当たらなかったらテレビ界を辞めましょうって言っていたのが、幸か不幸か20年も続きました。いろんな方と出会って、宝物になりました。いいドラマ、健康で素敵なドラマに仕上げていきたいと思います」と抱負を述べた。
次女・五月を演じる泉さんは「(せりふを)覚えるときはつらいけど、見るのは楽しいドラマ。『あんたも大変ね』と言われて近所の薬屋さんで栄養ドリンクをただにしてもらったこともありました。橋田先生のドラマはなんでもないこと、隣にありそうなことを書いているのがすごいなと思います。(これまでの撮影では)眞(えなりかずきさん)がひげをそり始めたとき、愛(吉村涼さん)がブラジャーを着けて、ストッキングをはいたときが一番ショックでした」と20年を振り返った。長女・弥生を演じる長山藍子さんは「橋田先生のメッセージを、弥生という役を通して一生懸命伝えたい」と話し、五女の長子を演じる藤田朋子さんは「私は20年間、芸能生活のほぼすべてが長子なんです。自分のことなのか長子のことなのかごっちゃになってしまうことがよくあります」と語っていた。
ドラマは10月14日放送開始、毎週木曜午後9時から。(毎日新聞デジタル)
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