俳優の阿部寛さん(46)と吉瀬美智子さん(35)が9日、東京都内で行われた映画「死刑台のエレベーター」(緒方明監督)の初日舞台あいさつに登場。吉瀬さんは「ジャンヌ・モローがやった役をできて幸せ」と笑顔で、顔のアップを使用したシーンについて「監督が『絶対やりたい』という意向だった。女優としては……こんな大きなスクリーンで毛穴が分かるくらいの寄りだった」と苦笑いしていた。
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映画は、57年に製作された仏映画をリメーク。オリジナルは「地下鉄のザジ」「ダメージ」などのルイ・マル監督の長編デビュー作で、ジャンヌ・モローさん演じる社長夫人のフロランスが若い愛人に夫の殺害を依頼。しかしその後愛人がエレベーターに閉じ込められ、完全犯罪の計画が崩れてい く……というサスペンス。夜の街をさまようモローさんの魅惑的な演技と、ジャズトランペッターのマイルス・デイビスの即興演奏、手持ちカメラによる撮影で緊迫した臨場感を演出し、ヌーベルバーグの傑作と言われた。リメーク版は、吉瀬さん演じる医療グループの社長夫人・芽衣子が、阿部さん演じる魅力的な医師・時籐と不倫関係になり、年の離れた夫を自殺に見せかけ殺害して逃亡しようと企てる……というストーリー。
緒方監督は「アップはオリジナルにもあり、(その使われ方は)映画史の中でもあまりないこと。このチャレンジは引き継ごうと思った。吉瀬さんの美しくも恐ろしいアップを見て」とアピール。阿部さんは「ラストシーンの撮影は、その前に2日間エレベーターに閉じこめられたり、10時間近い舞台をやっていてすごく疲れていた」と撮影を振り返り、「『愛してる!』って言ったら、暑苦しかったみたいで監督に『普通にやってくれ』って言われました」とエピソードを披露し、会場の笑いを誘っていた。
舞台あいさつには共演の玉山鉄二さん(30)、北川景子さん(24)も登場。オリジナル版とはキャラクター設定が異なる北川さんは「オリジナルの映画を見ずに台本を読んだ。出演作の中で初めて一観客として(完成した)作品に引き込まれた。結果より、過程に引き込まれるところが魅力」と語り、玉山さんは「友だち、家族、愛人とまた見に来て」と呼びかけていた。映画は角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(毎日新聞デジタル)
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