注目映画紹介:「REDLINE」キムタク、蒼井優らが声優 製作に7年費やした手描きの職人アニメ

「REDLINE」の一場面。(C)2010_石井克人・GASTONIA・マッドハウス/REDLINE委員会
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「REDLINE」の一場面。(C)2010_石井克人・GASTONIA・マッドハウス/REDLINE委員会

 手描きにこだわり、製作期間7年、作画枚数10万枚を費やしたという職人の魂と技が結集した劇場版アニメ「REDLINE」(小池健監督)が9日、公開された。九つの短編からなるオムニバスアニメ映画「アニマトリックス」(03年)の1編「ワールド・レコード」で世界デビューを果たした小池監督と、「鮫肌男と桃尻女」(98年)などを監督した石井克人さんが原作を手がけ、「サマーウォーズ」(09年)のマッドハウスが製作。豪華なのはスタッフばかりでなく、声のキャストに「SMAP」の木村拓哉さんと女優の蒼井優さん、俳優の浅野忠信さんらが顔をそろえた。

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 四輪がエアカーに代わろうとする近未来が舞台。まだまだ四輪にこだわる男JPの少年時代からの夢は、宇宙最速を決める5年に1度の祭典「REDLINE」で優勝することだ。勝つためには武器搭載も許されるむちゃなカーレースだが、JPは速さだけで勝つことにこだわっている。そんなJPは周囲からからかわれているが、一向に気にしていない。JPは予選で、あこがれの女性ソノシーとバトル。しかし、彼の愛車は親友で整備士のフリスビーによって、八百長レースに加担する仕掛けになっていた。親友を信じてアクセルを踏むJP。フリスビーの思惑とは? そして、JPの恋の行方は……?

 単純明快なストーリーだが、想像力豊かで独創的な世界観がそれをカバーしている。すべてのシーンに現実の車の音を入れたというだけあって、レースシーンは体感したような迫力だ。緻密(ちみつ)な絵が目まぐるしく動き、「スタイリッシュ」「クール」「クリエーティブ」なシーンが見どころ。個人的にはロボットが食事するおしゃれなバー(?)のシーンがお気に入りだ。ロボットはああいうふうに食べるのか、と新鮮な気分だった。

 蒼井さんが担当したソノシーは、もし実写だったら彼女が演じることはなさそうな色っぽいキャラクター。声だけだが妙につやっぽく新鮮に感じた。蒼井さんは声の演技を楽しんでいるようにも聞こえたが……。このほか、浅野忠信さんが声優に初挑戦している。9日から新宿バトル9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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