WOWOWでは、9月に宝塚を卒業した雪組トップスター水夏希さんの18年間の軌跡を貴重なアーカイブ映像で追う、「宝塚プルミエール 水夏希スペシャル」を26日放送する。また、水さんの代表作の一つ、ミュージカル「カラマーゾフの兄弟」(2008年雪組)も同日に放送。キレのあるダンスと演技力で男役を追求し、宝塚歌劇団をけん引してきた水さんに話を聞いた。
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退団会見の際に「(宝塚を振り返って)1ミリも悔いはない」と話した水さんは、「卒業から2カ月弱たったところですけど、あっという間ですね。“心にポッカリと穴が”みたいな感覚はまったくありません(笑い)。宝塚時代はとにかく忙しくて、1日が24時間じゃ足りないとずっと思っていたんですが、今はほどほど。改めて振り返ると“宝塚の人って大変だなー”と思います(笑い)」と退団後の生活をユーモラスに語り、「さよなら公演の感動は、特にないんですよ。というのは、私は毎公演、これが千秋楽という気持ちでやってきましたから。ですから、いよいよその時が来た、とは思いましたけど、想像以上に普通でいられました。最終日の劇場入りの時、劇場の前にドーンとファンの方が集まってくださり、花のアーチをつくって迎えてくださった時は『うわ、何これ? すごい!』と驚きましたが」と最終公演を振り返る。
宝塚音楽学校時代の成績もよく、早くから目立つ存在だった水さんだが、18年という長い在団期間は、決して平穏ではなかったという。組替えを多く経験し、最初に所属したのは、厳しいことで有名な月組だった。「よく注意されました。でも当たり前なんです。最下級生なのに居眠りしていたり(笑い)、ラインダンスでもとにかく毎日どこかしら間違えてましたから」と謙遜(けんそん)する。その月組時代の新人公演で、あこがれていた先輩・天海祐希さんと同じ役で主役に大抜てきされた。
「自信がなくて困っている時に『何がわからないかもわからないんだよね』と理解してくださったのが天海さん。やる前にもたくさんのアドバイスをいただいてありがたかったんですけど、第一部が終わった途端、『メモとペン持ってきて』って。そのあとダーッと(ダメ出しを受けた)。その時は『まだ二部があるのに?』と思ったんですけど、自分が上級生になるとわかるんですよね。うるさいと思われても、終わってすぐのテンションで言うことが、すごく大切なんです」と、思い入れの深い新人時代のエピソードを語った。
インタビューの模様は、11月26日午後4時10分から「宝塚プルミエール 水夏希スペシャル」で放送、「ベルサイユのばら」「怪傑ゾロ」など代表作について語る。(毎日新聞デジタル)
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