蒼井優:映画「洋菓子店コアンドル」で女の子版“寅さん”に

 俳優の江口洋介さん(42)と蒼井優さん(25)がダブル主演する来年2月公開の映画「洋菓子店コアンドル」(深川栄洋監督)の記者会見がこのほど、大阪市内のホテルで行われた。蒼井さんが演じたヒロインについて、江口さんは「ヒステリックな要素があるのですが、彼女が鹿児島弁でしゃべるとそれがとても可愛かった」と語った。深川監督も「今まで見たことのない蒼井優ちゃんを見てみたいと思いました」と演出を振り返り、山田洋次監督の人気シリーズ「男はつらいよ」の主人公・寅さんをモデルに「“女の子版寅さん”みたいな物語になるんじゃないかなと思いました」と表現した。

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 映画は、スイーツ界から突然姿を消した伝説のパティシエ、十村遼太郎(江口さん)が、製菓学校の講師をしながら、スイーツ評論家としてガイドブックを出版。どんな有名店からの誘いも断り、その腕前を披露することはなかった十村が、恋人を追いかけて東京にやってきた鹿児島のケーキ屋の娘臼場なつめ(蒼井さん)と東京で評判のパティスリー「コアンドル」で出会う。そしてなつめは、ひょんなことから「コアンドル」で働くことになり、十村が菓子作りをやめた理由も明かされていく……という物語。共演は戸田恵子さん、江口のりこさん、加賀まりこさんら。

 「コアンドル(Coin de rue)」はフランス語で「街角」。深川監督は「竜巻のように風を起こす人」がやって来て、人に影響を与え、動かしていく作品を作りたいと思ったといい、なつめを“寅さん”に、十村を“マドンナ”にそれぞれなぞらえた。「恋愛ではなく、職人同士の師弟関係というところで、どのように響き合うか。好きや嫌いではなく、人間同士の影響のし方で物語を見せていけないものかと思って作りました」と解説した。

 「伝説の職人」としてケーキを作る際のリアリティーを出すため、専門学校で授業を受けたという江口さんは、「意外とはまり性なので、ブルーベリーで可愛らしくデコレーションしたりして、デジカメで撮るっていうのをやってました」と、自宅でのエピソードを明かして会場をわかせた。

 蒼井さんは「ケーキを食べるのと同じように、みんなの胸を膨らませてくれるような作品。人と人とのつながりや、生活していく上での苦しみなども描かれているような、ただの甘い映画ではないビター&スイートな映画です」とアピールした。

 「洋菓子店コアンドル」は11年2月11日から東京・新宿バルト9ほかで全国ロードショー。(毎日新聞デジタル)

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