岡本太郎:生涯を初映像化 主演・松尾スズキ「受けねば男が廃る」 パートナー敏子役に常盤貴子

生涯がドラマ化される芸術家の岡本太郎=「岡本太郎記念館」提供
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生涯がドラマ化される芸術家の岡本太郎=「岡本太郎記念館」提供

 11年2月26日に生誕100年を迎える芸術家・岡本太郎の生涯が、NHKで「TAROの塔」としてドラマ化されることが6日、分かった。岡本太郎役を作家、演出家で俳優の松尾スズキさん(47)が演じ、パートナーの敏子を女優の常盤貴子さん(38)が演じる。松尾さんは「岡本太郎は常に『闘え』と言ってきた人。僕を主役に据えることこそNHKの挑戦であり、それを受けねば男が廃る」と並々ならぬ意気込みを語っている。

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 岡本太郎は1911年2月26日生まれ。父の仕事について渡欧してパリに約10年滞在。幼少のころから絵を描くなど創作活動を続け、前衛芸術運動を行った。晩年はバラエティー番組などにも出演し、「芸術は爆発だ!」などの発言でも知られる。70年にアジア初・日本初の国際博覧会「大阪万博(日本万国博覧会)」でシンボルタワー「太陽の塔」を作り上げたほか、72年にアジア初・日本初の冬季五輪の開催となった「札幌五輪」の公式メダルを制作するなどした。パートナーの敏子は実質的な妻でありながら、結婚せず、後に岡本太郎の養女となった。

 ドラマは、生誕100周年企画の一環で、67~70年の「太陽の塔」誕生秘話を軸に岡本太郎の誕生から死までを描く。関係者の全面協力を得て、岡本太郎の実像を取材し、人気マンガ家だった父・一平、芸術面での影響を強く受けた歌人で小説家の母・かの子、秘書を経てパートナーとなった敏子との人間模様や心象風景を太陽の塔の完成と重ね合わせ、新たに発見された資料を基にした敏子との物語も展開する。同局の「クライマーズ・ハイ」などを手がけた大森寿美男さんのオリジナル脚本。2日にクランクインし、仏パリや大阪万博公園でのロケも敢行する。

 岡本太郎を演じる松尾さんは、88年に「大人計画」を旗揚げ。第41回岸田國士戯曲賞、第38回ゴールデン・アロー賞演劇賞を受賞したほか、08年に映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の脚本で第31回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した。俳優として映画「悪人」(10年)などにも出演、作家、映画監督としても活動している。松尾さんは「太郎が太陽の塔を作った心意気に共鳴している」ともコメントしている。

 敏子役の常盤さんは「松尾スズキさんの岡本太郎! そりゃ見たいに決まっています! 松尾さんとともに、エネルギッシュで、わくわく楽しい、ベラボーなドラマを作っていけることが今から楽しみです」と意欲を見せている。

 また訓覇圭(くるべ・けい)プロデューサーは「松尾スズキさんのキャスティングを思いつくまで、岡本太郎さんのドラマ化は不可能だと思っていました。松尾さんの肉体を通して、芸術家が発する男の色気を表現したい」と話し、「岡本敏子さんの代名詞は『チャーミングな笑顔』。常盤さんのほほえみに新しい敏子さん像を託します」と話している。

 放送は総合テレビで、生誕100年に当たる11年2月26日から「NHK土曜ドラマ」として毎週土曜午後9時に放送、全4回。(毎日新聞デジタル)

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