ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに20万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第6回は、高村光太郎の「智恵子抄」だ。
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みなさんこんにちは、乙葉しおりです。
月曜日は成人の日でしたが、みなさんの身近な人で、成人式に参加された方はいますか?
成人式に参加された新成人の方、おめでとうございます(*^^*)
実は私の通う学校の体育館が、毎年成人式の会場になっていて、今回いろいろとお手伝いをさせていただきました。
案内放送ですとか、会場の進行役ですとか、朗読倶楽部のみんなが、それぞれの場所で活躍したんですよ(^−^)
新成人は全国で年々減少していて、たとえば東京の新成人は20年前の半分以下になってしまっているそうです。
「最近若者に元気がない」というお話もよく耳にしますが、人数が減っているからこそ一人一人が元気を出さないと、そのまましぼんで消えてしまいそうで、若者の一人である私もがんばらないとって思います。
晴れ着を着た新成人の方々を見て、私もいつか同じように晴れ着を着て、大人の仲間入りをするんだろうなって思うのですが、それまでには、まだまだ学ぶこと、経験しないといけないことがたくさんありそうです。
まずはあがり性の克服からですね……。毎回同じお話で進歩がないですけど、簡単には直りそうにありません(>_<)
ではここで朗読倶楽部結成のお話の続きに移りますね。
文芸部に勧誘した中等部の生徒さんは、「朗読部に変更するなら入部する」と言いました。
でも、部の変更は、文芸部を存続させるために私を誘ってくれた、お友だちの頑張りを無にしてしまいます。
とはいえ、「演じるクラブ活動」をしたいという中等部の彼女を、無理に説得することもできません。
「あきらめて、他をあたってみます」と口にしかけたその時、彼女はさらにこう付け加えました。
「このまま文芸部を始めても、おそらく長くは続かない」と。
私とお友だちがどういうことか問いただすと、「学校に活動実績を示す問題で行き詰まる」というのです。
確かに、言われてみればその通りでした。
文芸部が実績を上げる方法は、創作活動を行って賞を取るか、読書感想文コンクールの入賞をするしかありません。
私は賞を取れるほど何かを創作したことがありませんし、お友だちも学校の指定した期間で確実に賞を取れる保証はないと言います。
読書感想文に至っては発表時に読み上げる必要がありますから、「それなら朗読部で、あがり性を直したほうがいい」と言われてしまいました……(>_<)
「作品を読まないと朗読はできないので、朗読部でも本は読める。しかも文芸部と違い、実績を作れる勝算がある」という彼女の説得に、私たちはどんどんのまれてしまう一方でした。
結局、お友だちもある理由で朗読部に変更することに同意したのですが、それは、機会があったらいずれまたお話ししますね。
……と、いうところで、今回はここまでです。
また次のお話ができる日を、楽しみにしています(^−^)
■しおりの本の小道 高村光太郎「智恵子抄」
こんにちは、第6回にご紹介する1冊は、高村光太郎さんの「智恵子抄」(ちえこしょう)です。
「抄」とは、「要約する」、「一部を紹介する」という意味で、芸術家であり詩人でもある高村光太郎さんが、奥様の智恵子さんに向けた思いを、詩歌でつづった1冊になっています。
内容は、智恵子さんとの出会いから結婚、そして別れとその後までを、詠(うた)われた日付を追って収録したものですが、1911~1941年の30年にもわたっていて、どれだけ奥様への思いが深いものだったかが分かりますよね。
芸術家の高村光太郎さんは、海外留学で西洋美術の最先端に触れ、日本の芸術の権威主義に強く反発していました。
そんなときに洋画家である智恵子さんと出会うのですが、当時は男女格差が激しく、才媛の智恵子さんもまた、世間の壁や嘲笑(ちょうしょう)と戦っていたようです。
よく似た互いの境遇に意気投合したのか、2人は1914年に結婚します。
「私はこの世で智恵子にめぐり会った為、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の退廃生活から救い出される事が出来た」と、後に高村光太郎さんは語っています。
けれど、幸せな時間は長く続きませんでした。
実家の不幸など心労が続いた智恵子さんは1931年ごろから心の病にかかり、32年に自殺未遂を起こし、38年に肺結核で亡くなりました。
残された高村光太郎さんの悲しみは「レモン哀歌」をはじめとした詩の中に込められていますので、ぜひ読んでみてください。
高村光太郎さんの思いが感じられると思います。
現在、2人は東京の染井霊園で、同じ高村家のお墓に眠っています。
ここにはたくさんの桜の木があって、お花見で有名なソメイヨシノの桜は、この染井という地名が由来になっているそうです。
作中の詩「あどけない話」や「レモン哀歌」でも詠われている桜が見たくなったら、訪れてみるのもよいかもしれません……。
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