ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
「週刊ヤングジャンプ」で00年7月から連載が開始され、コミック29巻で累計1350万部を突破(10年11月時点)している奥浩哉さんによる同名の人気マンガを2部構成で映画化した「GANTZ」。パート1が1月29日に公開され、パート2が4月23日に封切られる。そのパート1で、玄野と加藤とともに戦うのが、夏菜さん演じる岸本恵だ。夏菜さんは映画初出演だが、アクションはもとより、転送シーンでは一糸まとわぬ姿を披露するなど体当たりの演技を見せている。「岸本と私は似ても似つかない」ため苦労も多かったと語る夏菜さんに話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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「GANTZ」は、地下鉄にひかれて死んだはずの2人の青年、玄野計(二宮和也さん)と加藤勝(松山ケンイチさん)が、不思議な黒い球体「GANTZ」のある部屋に転送され、異形の“星人”と戦うよう仕向けられる。星人を殺さなければ脱出できないという理不尽な状況の中で、苦悩しながらも死闘を繰り広げる2人の姿を描いたSFアクションだ。
−−原作ファンが多い中で、岸本恵というキャラクターを演じる気持ちは?
プレッシャーはもちろんありました。女の子らしい岸本に対して、私はまったく女の子らしくない(笑い)。むしろ、岸本が隣にいたら励ましてしまうタイプ。その似ても似つかない岸本の思考回路を考えて、彼女だったらどんな仕草をするだろうと想像しながら演じました。なるべく(原作の)マンガに近づけたいと思う半面、そうはいっても違う部分は出てくるので、そこは私の味として、映画版「GANTZ」の味として見てもらえたらいいですね。
−−女の子らしさや加藤に対するいちずな思いなどを表現しながらのアクションについて。
難しかったです。スーツマジックというんでしょうか、GANTZスーツを着るだけでカッコよく見えてしまう。素の自分が、「私は強いんだ」と勘違いしちゃって、岸本ならぬ行動をとってしまうことがありました。そういうところはリハーサルで調節していくんですけど、動きにキレが出てしまったりといった苦労がありました。
−−そういえば、今作の前に公開された映画「君に届け」では、ヒロインの姉御肌の友人あやねを演じていました。
そうなんです。岸本役はもちろんすごく難しかったんですけど、正直、あやねのほうが、演じるという面では難しかった。彼女は頭のいい、計算できる女性。私とはこれまた似ていなくて(笑い)、私の思考回路をいくら使っても足りないくらいでした。あの役は、毎日泣きながらやってました。
−−でも、そこで身についたものが今回生きているのでは?
逆なんです。「GANTZ」の撮影のほうが先だったんです。でも、最初に岸本役をやってよかったと思います。というのも、純粋に人を思う気持ちとか、加藤さんを守りたいという気持ちを素直に表現できたと思いますから。岸本というのは、私からしてみてもすごくあこがれの存在ですし、(加藤のような)守りたいと思える人がいるというのはうらやましいことです。
−−共演者について。
松山さんは、役に対してすごく真摯(しんし)な方で、いつも加藤という役と向き合っていました。そういう松山さんの真剣な姿がカッコよかった。役者として尊敬できる、あこがれの存在です。二宮さんは、すごく周りを見ている方。「GANTZ」の撮影はすごくつらかったと思う。夜のシーンが多いので昼夜逆転の生活ですし、バラエティー番組やドラマのお仕事もなさっていて、それに、ちょうど映画「大奥」も撮り始めるときだったので、いちばん忙しい時期だったはずなのに、現場で疲れている顔を見たことがないし、ため息すら聞いたことがない。いつも誰かに声をかけて元気づけている。そういう、お2人とも違うタイプの方なんですが、スターってこういう方たちのことをいうんだと改めて思いました。
−−原作ファンに向けたメッセージを。
私が原作を見て初めて「GANTZ」の世界に取り込まれたのは、岸本が転送されてくるシーン。あそこを読んで、このマンガはすごいと心の底から思ったんです。ですから、その気持ちを、私も絶対、映画を見てくださる方に伝えたいと思って演じました。「GANTZ」といえば、転送シーンだったり、エロチックやグロテスクな描写がクローズアップされると思うんですけど、とくに転送シーンは私も気合が入っているし、原作ファンの方たちもそこは期待していると思うので、ぜひ注目してほしいところです。
−−その全裸の転送シーンの撮影は2日もかかったそうですね。なぜそんなにかかったのでしょうか。
CG処理をするのでグリーンバックを前に撮影するんですが、まず最初に手と足が出てくるので、それ以外のところは、頭も含めてすべて緑のタイツで覆ってしまうんです。それからちょっとずつちょっとずつ(タイツをめくって肌を)出していく。そういう作業が延々と続きました。さらに、(床から)ちょっと浮いてるという設定なので、私の型に切り取られた、それこそ、腹筋とかいろんな筋肉が痛くなるような小さな台に乗って同じ姿勢を保たなければならなかったので、すごく大変な撮影でした。映像にするとあっという間なんですけど、転送シーンであれほど時間がかかったのは私のシーンだけなので、その点でも注目していただきたいです。
−−では、原作を読んだことのない人に向けてのメッセージを。
「GANTZ」はそれぞれのキャラクターがどんな過去を背負い、何のために戦っているのかという人間ドラマが描かれています。彼らは生と死のはざまで生きているんです。ですから、たとえSFは苦手という方でも、キャラクター1人1人のストーリーを楽しんでほしいですね。
<プロフィル>
1989年5月23日、埼玉県出身。06年のドラマ「嫌われ松子の一生」や「ガチバカ!」などに出演し、映画デビュー作となる今作「GANTZ」の岸本恵役をオーディションで勝ち取る。10年9月公開の映画「君に届け」(熊澤尚人監督)では、主人公の友人で姉御肌の矢野あやね役で印象に残る演技を見せた。その他の主な出演ドラマに「大魔神カノン」(10年)、「あんどーなつ」(08年)などがある。今後は「嫌われる役、本当に嫌な女と思われるような役をやってみたい」と意欲を見せる。初めてハマったポップカルチャーは、ファミコンの「スーパーマリオブラザーズ」。父親相手に「物心ついたときには、体を動かしながらプレーしていました」という。
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