東日本大震災のチャリティーとして開催された第3回沖縄国際映画祭は最終日の27日、沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)でクロージングセレモニーが開かれ、長編プログラム(映画)のLaugh部門とPeace部門出品作から選ばれた審査員特別賞「ゴールデン・シーサー賞」に「阪急電車 片道15分の奇跡」(日本)が輝いた。同賞はじめ全受賞者が賞金総額647万円を辞退し寄付することが発表され、期間中に集まった募金と合わせ総額1640万円が日本赤十字社を通じ被災地に寄付される。
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一般審査員と観客の投票による海人賞はLaugh部門が「A Crazy Little Thing Called Love」(タイ)、Peace部門は「阪急電車 片道15分の奇跡」がそれぞれグランプリを獲得した。また、笑える動画を審査する短編映像コンペティション「World Wide Laughグランプリ」はTBSあらびき団の「BALOON MAN the CHALLENGE」、地元愛をPRする地元CMコンペティション「JIMOT CM COMPETITION」は沖縄県の鈴木雅子さんが受賞した。
「阪急電車」は海人賞とダブル受賞で、重松圭一チーフプロデューサーは「シーサーは二つあった方が飾りやすいので、本当にありがとうございました。(震災で)涙を流している人に少しでも笑顔になってもらえればと思って今回参加しました。この上ない喜びです。少しでも前向きで明るい日本になれば」とコメントした。また「スペシャルメンション」(特別推薦)として「クロサワ映画2」(日本)と「A Crazy Little Thing Called Love」(タイ)が追加で発表された。
セレモニー後は、ビーチステージにおいて沖縄出身のお笑いコンビ「ガレッジセール」の司会で、石垣島出身のトリオ「BEGIN」や沖縄在住の小嶋さちほさんのライブで映画祭のすべてのプログラムが終了した。
「エール、ラフ&ピース」をコンセプトに開かれた同映画祭は各所で募金活動を展開し、550人の俳優やタレントらが募金を呼びかけ、那覇市の桜坂劇場などで行われたカウントダウンイベント(18~21日)に集まった募金193万円と合わせ、18~27日の期間中に総額972万円(27日午後3時現在)の募金が集まった。また会場内の各所に置かれた30枚のメッセージボードには約4万人がメッセージを書き込んだ。メッセージボードや企業ブースに集められた支援物資は被災地に送られる。
期間中の来場者数は31万人。曇天と小雨が続き、例年より気温の低かったことから昨年の動員数38万人を上回ることはできなかった。次回の映画祭は2012年3月24~31日に今回と同じ会場で開催されることも発表された。(毎日新聞デジタル)
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