仏カンヌで開催されていた「第64回カンヌ国際映画祭」が22日(現地時間)閉幕し、米俳優のブラッド・ピットさんとショーン・ペンさんが共演した映画「ツリー・オブ・ライフ」(テレンス・マリック監督)が前評判の通り、最高賞の「パルムドール」を受賞した。マリック監督にとっては79年の同映画祭で「天国の日々」が監督賞を受賞して以来、実に32年ぶりの受賞。日本からは河瀬直美監督の「朱花(はねづ)の月」、三池崇史監督の「一命」が出品されたが受賞を逃した。
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マリック監督は73年の監督デビュー以来、監督生活38年間で今作が5作目の長編という寡作で知られる人物。「天国の日々」(78年)ではカンヌ映画祭監督賞、全米批評家協会監督賞、NY批評家協会監督賞を獲得。20年ぶりにメガホンをとった「シン・レッド・ライン」(98年)では監督賞と脚色賞の2部門でアカデミー賞にノミネートされたほか、ベルリン映画祭グランプリとなる金熊賞、NY批評家協会監督賞を獲得した。
今回のコンペティションには、ペドロ・アルモドバル監督やアキ・カウリスマキ監督ら世界的に有名な監督の新作が参加。激戦の中で最高賞を勝ち取った。マリック監督はこれで世界の3大映画祭のうち、ベルリンとカンヌを制したことになる。公の場に姿を現さないことで有名なマリック監督は16日の公式上映に続き、閉幕式にも姿を現さず、異色の存在であることを不在でアピールした。
映画は、成功した実業家であるジャックが人生の岐路に立ち、遠い少年時代を回想する。力こそがすべてだと信じる厳格な父と、愛に満ちた母とのはざまで葛藤し、父への反感を募らせていた日々。あのころに再び思いを巡らすとき、すべてを乗り越えつながり続ける家族の姿に、ジャックは過去から未来へと受け継がれていく生命の連鎖を見いだす……というストーリー。27日に全米で公開後、8月12日には日本で公開される。(毎日新聞デジタル)
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