最終章を迎えた大ヒットファンタジー映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(デイビッド・イェーツ監督)が15日に全世界で公開され、初週興行収入でいきなり11年ナンバーワンの数字をたたき出すなど人気を呼んでいる。主人公ハリー役として最後の姿を見せている俳優のダニエル・ラドクリフさん同様、シリーズ全作でハリーの日本語吹き替えを担当した俳優の小野賢章さんも10年間を「ハリー・ポッター」とともに過ごしてきた。「できれば終わってほしくない……寂しいですね」と本音をこぼす小野さんに同シリーズへの思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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同シリーズの声優はオーディションによって選ばれたが、小野さんの応募のきっかけは原作の大ファンだという母親の強い勧めだったという。「母の影響で本を読んで、(オーディションには)『絶対受かってよ』という感じ。頑張って受かって、よかったです」と当時を振り返った。小野さんの一番好きなのも第1章だという。「第1章は夢がいっぱい詰まっていて、子供から大人まで幸せだと思える。最初だったので、思い入れは強い」と話し、当時の収録では「『すみません』が言えなかったのを覚えています。『みま』という発音が当時の僕には難しかったみたいです。あと、呪文を唱える時に、ラドクリフくんのせりふを聞いてやるので、英語っぽくなっちゃう。『ここはカタカナで』と注意されて、恥ずかしかった」と笑顔で話した。
自身も同シリーズのファンになったという小野さんは、好きなシーンについて「第6章でハリーが冗談を言って、ハーマイオニーに本でたたかれるシーンがあるんですが、遊びのあるシーン。めっちゃ好きですね」といい、ハリー以外で好きなキャラクターは「スネイプ先生。あの声のダンディーな声の低さがかっこよくてすごく好き。最後の最後まで謎の人ですが、なんだかんだいってハリーを助けてくれるところも好きですね」と夢中で話した。ハリー役のラドクリフさんとは「お会いしていないんです」と残念そうに話したが「いつかお会いしたい。その時には、『ジャパニーズハリーです。日本でハリーの声をやっています。同い年です』と伝えたい」と話した。
声の収録は、主要キャラクターのロン役とハーマイオニー役の声優と3人いつも一緒。第1~3章は各章約1週間、第4~7章はそれぞれ約3日間ほどで集中して収録したという。小野さんは「第6章は、初めて僕だけで全部収録したんですよ。いつもは3人一緒にとるのに、スケジュールが合わなかった。寂しかったですね」と話した。声の収録で難しいのは戦いのシーンで、「息だけの芝居が続いて、相当すごい。フラフラの酸欠状態になるんです。毎回『大変だったな~』と印象に残っています」と話した。しかし、一番難しかったのは第5章のハリーの初のキスシーンで、「どうするんだろう。これは僕もやるのかな? って思って、ドキドキしながら本番に臨んだんですが、結局何もできなくて、マイクの前で何もやれなかった(笑い)。でもそれでOKになっちゃった。気持ちだけ、録音されています!」と舞台裏を明かした。
演じ続けてきた同シリーズについて、小野さんは「家族のような大切な存在です。思春期とか反抗期とか、自分のことを分かってくるような時期、12歳からの10年間、すごく大切な時期にハリー・ポッターと出会って、一緒に成長してきたな、と思います」としみじみと10年間を思い返した。今後やりたいことを聞くと、一度もやったことがないという「悪役とかもやってみたいです。今度は徹底的に悪いやつ。私生活に影響が出ない程度のものをやりたいですね」と笑い、「あと、世界を旅していろんな写真を撮ってみたいです。イギリスにも行ってみたい。まず英語ですね」とハリーの故郷に思いをはせていた。
最終章「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」は、シリーズ初の全編3D。丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開中。
<プロフィル>
おの・けんしょう 89年10月5日生まれ、福岡県出身。声優としては第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)以来、「ハリー・ポッターと死の秘宝」(10年)まで、全作品の日本語吹き替えでハリー・ポッターを担当。「トイ・ストーリー3」(10年)のアンディなども担当している。俳優としては映画「包帯クラブ」(07年)、「DIVE!!」(08年)ほか、舞台「パッチギ!」(09年)、「テニスの王子様」(11年)など多数の作品に出演している。趣味はギター、特技は体操、バスケットボール、大阪・博多弁、ダンス。
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