俳優の高倉健さん(80)が「単騎、千里を走る。」(06年)以来6年ぶりに新作映画「あなたへ」(降旗康男監督)に出演することが明らかになった。高倉さんにとって通算205本目の出演となり、「駅 STATION」「夜叉」「あ・うん」「鉄道員」「ホタル」などで知られる降旗監督とは19本目の共作となる。高倉さんは、「降旗監督とご一緒できることも、6年ぶりの映画出演となる大きなきっかけです。スクリーンで皆様にお会いできるのを楽しみにしております」とコメントしている。
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映画は、北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉さん)が50歳を前に刑務所に慰問に来ていた歌手の洋子と結婚した。子どもを望まなかった2人は、平穏で幸せな夫婦だけの日々を過ごしていたが、洋子は53歳の若さで死んだ……。洋子が遺した絵手紙には、スズメの絵とともに「故郷の海に散骨してほしい」と書かれていた。妻にとって自分は何だったのだろうか……。15年間連れ添った妻とはお互いを理解し合えていたと思っていた英二は、妻の真意を知るため彼女の故郷を訪れることを心に決める……というストーリー。
原案は、「夜叉」「あ・うん」のプロデューサーで08年に亡くなった市古聖智さんが遺したもので、10年夏に降旗監督が、脚本家の青島武さんと物語を再構築したという。日本各地の美しい風景、旅情あふれる風光明媚(めいび)なロケ地で撮影するという。
高倉さんは、「この物語に出合い、心が動きました。人が人を思いやること、生きることの切なさを思いました」とコメント。市川南プロデューサーは「高倉さんには昨年の秋にオファーをし、12月ごろに前向きな返答をいただき、今年の春からご本人との打ち合わせを含め具体的に動き出しました」と経緯を説明。高倉さんについては「降旗監督との仕事を今の俳優さんたちに1本でも多く、経験させたいと思っていらっしゃるようです」と話した。
また、市川プロデューサーは「高倉さんの男っぽい映画をご覧になっていた団塊の世代の男性はもちろん、その世代の女性、また普遍的なストーリーなので、30、40代の方々にも見ていただきたいと思います」とアピールしている。映画は、9月7日にクランクインし、12年秋に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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