ポール・ハギス監督の最新作で、ラッセル・クロウさん主演のサスペンス・アクション大作「スリーデイズ」が公開中だ。ハギス監督お得意の父性愛と家族のきずなが感じられる作品で、実際の刑務所の施設内でロケをした。
ウナギノボリ
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米ピッツバーグに住むジョン(クロウさん)は教師。妻のララ(エリザベス・バンクスさん)と幼い息子ルークとともに幸せな毎日を送っていた。ところがある朝、突然警察がやって来てララを連行した。3年後、ジョンはルークを男手ひとつで育てながら、ララの無実を信じていたが、殺人罪が確定。ララは絶望のあまりに刑務所で自殺未遂を起こす。打つ手がなくなりジョンはララを脱獄させようと計画。脱獄経験のある者に会うなどして情報をかき集め、緻密に策を練っていく。しかしやがて警察がジョンのことをかぎつけ……というストーリー。
ハギス監督の作品は細かい部品で組み立てられているような印象があるが、フランスのサスペンス作「すべて彼女のために」のリメークである本作もしかり。前半は教職についているまじめなジョンが妻のためにコツコツと計画を練っているところ、そして中盤からは切羽つまっていくジョンがどんな行動をしていくのかを見つめさせ、自然にジョンを応援する気分にさせられる。それもこれも、ジョンのキャラクターが綿密に組み立てられているからだろう。たとえばジョンの両親役は、人柄のよさが感じられるとてもいい芝居でジョンの育ちの良さに触れた気にさせてくれるし、幼い息子とのシーンではジョンの父親としての優しい顔が見える。それなのに、ジョンが警察に追われるシーンでは、眼光鋭いヒゲの刑事があんまり頑張っていた(キビキビしていてカッコよく見えた)ため、ちょっとだけ警察を応援してしまった……。
それにしても、ジョンの息子にはハラハラさせられた! 子どもとは、大人の計画通りに動かないものだ。子育て中のパパ&ママからも納得の声が聞こえてきそうだ。丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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