12年に公開する高倉健さん(80)主演の映画「あなたへ」(降旗康男監督)で高倉さんとビートたけしさん(64)の共演シーンの撮影がこのほど岐阜県の高山で行われた。2人の共演は「夜叉」(85年)以来27年ぶりで、高倉さんは「(たけしさんとの共演が)待ち遠しくて、高山駅まで迎えに行ってしまいました」と明かし、恐縮したたけしさんは「(高倉さんに)目の前に立たれるとせりふが止まっちゃいますね」と緊張した面持ちで、「(高倉さんは)映るだけで画面が締まる。人間国宝ですね」と語った。
ウナギノボリ
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映画は、北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉さん)が50歳を前に刑務所に慰問に来ていた歌手の洋子と結婚した。子どもを望まなかった2人は、平穏で幸せな夫婦だけの日々を過ごしていたが、洋子は53歳の若さで死んだ……。洋子が残した絵手紙には、スズメの絵とともに「故郷の海に散骨してほしい」と書かれていた。15年間連れ添った妻とはお互いを理解し合えていたと思っていた英二は、妻の真意を知るため彼女の故郷を訪れることを心に決める……というストーリー。原案は、「夜叉」「あ・うん」のプロデューサーで08年に亡くなった市古聖智さんが残したもので、10年夏に降旗監督が、脚本家の青島武さんと物語を再構築したという。たけしさんは倉島が旅の中で最初に出会う人物、自称・元中学教師の杉野輝夫を演じる。
撮影の合間、高倉さんとたけしさんは「たけちゃん」「健さん」と呼び合い、和やかに談笑する様子も見られたという。高倉さんは「(6年ぶりの映画出演は)大変緊張していますが、なんでこんなに休んでいたのかというくらい楽しい時間を過ごしています。たけちゃんの役は出番は少ないが、(話の流れを)パクッと食っていくおいしい役で、たけちゃんにしかできない。(たけしさんの)常に新しいことに挑戦している姿には頭が下がります。たけちゃんのような素晴らしい人の力を借りて、大人の日本映画が1本でも多く作られることを切望します」と絶賛していた。映画は、12年秋に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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