きただにひろし:「みんなの心に残るテーマ曲に」 12年ぶりに「ワンピース」主題歌を担当

テレビアニメ「ワンピース」の新主題歌「ウィーゴー!」への思いを語るきただにひろしさん
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テレビアニメ「ワンピース」の新主題歌「ウィーゴー!」への思いを語るきただにひろしさん

 フジテレビ系で放送中のテレビアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」の新主題歌「ウィーゴー!」が16日に発売される。10月2日から始まったアニメの新章「最後の海“新世界編”」に合わせ、初代主題歌「ウィーアー!」のアンサーソングとして、12年ぶりにスタッフが再集結し制作された。「ウィーアー!」でソロメジャーデビューを果たし、今回の「ウィーゴー!」でも歌を担当するきただにひろしさんは、「新章の新たなスタートを歌えることが意味があると思うし、同じスタッフでやるというのが『ワンピース』ファンからしてもすごく意味がある」と力を込める。きただにさんに、同曲の聴きどころや12年前と現在のちがい、アニメソング(アニソン)へかける思いなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「ワンピース」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で97年から連載中で、コミックス累計2億4000万部以上を発行している尾田栄一郎さんのマンガが原作。テレビアニメは99年から放送されており、手足が伸びるゴムのような体になったルフィが、海賊王になるため仲間とともに冒険するというストーリー。アニメは現在、義兄・エースを失った「頂上戦争」ののち、ルフィら一味が自らを鍛え直して再び集結し、冒険を再開している。

 「『ワンピース』のファンで、特にルフィが大好き!」と話すきただにさんは、アンサーソングの制作が決まった瞬間を「本当にうれしかった! アニソン歌手としてデビューしたのも『ウィーアー!』だったし、ずっと待ってましたよ」と振り返る。これほどの人気アニメの主題歌に2度も携わることにプレッシャーはなかったかと尋ねると、「プレッシャーは正直ありますよね。でもすごく気合が入っているのが聴いてもらえればわかると思います!」と自信を見せた。

 「ウィーアー!」に比べ「ウィーゴー!」は“テクニック的にも音楽的にも難しい曲”に仕上がっており、「12年前のきただにひろしでは手こずると思う」と話すだけあって、今まで以上に練習を重ねてレコーディングに臨んだ。特にサビ前の「心配なんてどこ吹く風(ぜ)」からサビ部分「(ぜ)絶対ワンピース 一番乗り」にかけては“ぜ”をつなげて歌う歌い方をしており、「サビに向かうのでパワフルにいかないといけない。息が残ってないといけないので、その配分が難しかった」と苦労を明かした。

 また、作曲を担当した田中公平さんが「12年たった今のきただにひろしのために作ったオーダーメードの曲」とブログに書いてくれたそうで、「僕のスキルが上がって、きただにがこれを歌うことによってこの曲が映えるという曲を作ってくれてうれしいし、自分の成長も感じられる」と笑顔を見せた。

 今でこそ自身の成長を感じられているきただにさんだが、「右も左もわからず、アニソンのレコーディングもはじめてだった」という12年前にある言葉をもらったと明かす。それは「ドキドキわくわくしている子供たちを思い浮かべながら、笑顔で歌え!」だといい、実際に笑顔で歌うと「声も笑顔なんです。元気やパワーが出てくるし、気持ちって声に乗るんだと思った」と実感。「それからアニソンを歌うときには、びっくりするくらい笑顔で歌います」とアニソンへの取り組み方を明かした。

 子供のころから数多くのアニメを見てきたきただにさんは、「レコードを持ってなかったのに、今でもアニソンの1番は歌詞を見ずに歌える」という。毎週見ているだけで知らず知らずに“すり込まれていく”アニソンは、「みんなに元気を与えたり、アニメを介して学校で習わない仲間を大事にしなきゃとかそういうことを教えてくれる」と分析する。

 これまでいくつかのバンドやユニットを経験しているきただにさんだが、アニソンにこだわる理由については、「アニソンの熱い部分は(きただにさんの性格とも重なり)天職だと思っているんですけど、やっぱり人生で助けてもらったのがアニソンだったから」と話す。「うまくいっていない時期に、アニソンでチャンスをいただいたので、恩返しの気持ちを持って今後もアニソン界を盛り上げていくために頑張っていきたい」と今後の目標を語り、最後に「みんなの心に残って、これからの(『ワンピース』の)物語をさらに面白くしてくれるような、みんなのテーマ曲になってもらえたらうれしいです。ぜひ歌ってください!」と笑顔で呼びかけた。

 <プロフィル>

 きただに・ひろし 1968年生まれ、山口県出身。1994年、3人組ユニット「Stagger(スタッガー)」でメジャーデビュー。いくつかのバンド、ユニットを経て、アニメソングの世界にはOVA「め組の大吾」のエンディング主題歌「Red Darkness」ではじめて足を踏み入れる。1999年、テレビアニメ「ONE PIECE」(フジテレビ系)のオープニング主題歌「ウィーアー!」で“アニソン歌手・きただにひろし”としての存在を確立し、08年には第22回ゴールドディスク大賞「アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。その後も、「仮面ライダー龍騎」「妖怪人間ベム」など話題作の主題歌を担当するほか、歌手以外の分野でも活躍の場を広げる。02年、アニソンユニット「JAM Project(ジャム プロジェクト)」に加入。趣味は料理とお酒を飲むことで、座右の銘は「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」。

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