源氏物語:「生田斗真が日本の雅を見事に表現」映画プロデューサーらがトークイベント

トークイベント「千年のときを越えた『源氏物語』という文化メディア−−現代社会へのプレゼンテーション」の様子
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トークイベント「千年のときを越えた『源氏物語』という文化メディア−−現代社会へのプレゼンテーション」の様子

 日本最古の長編恋愛小説「源氏物語」の魅力を探るトークイベント「千年のときを越えた『源氏物語』という文化メディア−−現代社会へのプレゼンテーション」が24日、六本木ヒルズライブラリー(東京都港区)であり、12月10日公開の映画「源氏物語」(鶴橋康夫監督)のチーフプロデューサーを務める角川書店の岡田和則さんらが、古典文学を映画化する意義などについて議論した。

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 イベントには、源氏物語の研究者で立教大文学部の小嶋菜温子教授、分冊百科「週刊絵巻で楽しむ源氏物語五十四帖」(朝日新聞出版)のチーフエディター・内山美加子さんも出席。内山さんは「文学作品はビジュアルで想像しないと面白さが半減する。当時の女性は、すだれで透けて見える顔の表情や着物の裾にセンスを感じさせ、それに引かれた男性は女中の許しを得ながら徐々に建物の中に入る。それが平安の恋のルール」と寝殿造りの構造図を見せ、誌面や映画で再現することで当時を想像できると説明した。

 岡田さんは、「『源氏物語』の物語世界と、なぜ紫式部がこの物語を書いたのかという現実世界の、二重構造のミステリー。なるべく忠実に表現するために原寸大のオープンセットを作り、自然光の中で撮影できた」と話し、「震災が起きたこの2011年に公開できる意義を今日改めて感じた。この作品では主演の生田斗真が、日本人の雅を見事に表現している。源氏物語は今では古典だが、書かれた当時は、その時代を如実に表す“時”の作品。それを身近に手に取ってもらい、日本人の誇りを感じてもらえれば」と語った。

 小嶋教授は、「自信を持ちにくい現在の日本。しかし、世界における日本の立場を保持していくためにも、メディアを通じて日本文化を、未来の子どもたちに伝えていくことが大事。分冊百科や映画など商業ベースで古典をやってくれるのがうれしい」と意義を語った。

 映画は、「源氏物語 悲しみの皇子」(角川書店)を原作に作者の高山由紀子さんが脚本も担当して製作。生田斗真さんが光源氏役で主演し、中谷美紀さんが紫式部役で出演するという「物語の中の光源氏の世界」と「物語を書いた紫式部の世界」が入り交じり、その間を陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明(窪塚洋介さん)が行き来し、夢と現実が交錯する奇想天外な“スペクタクル源氏物語絵巻“。東山紀之さん(藤原道長役)、多部未華子さん、真木よう子さん、田中麗奈さんら豪華キャストも出演する。(毎日新聞デジタル)

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