俳優の高倉健さんがこのほど、福岡・門司港で、6年ぶりに主演した映画「あなたへ」(降旗康男監督、12年秋公開)のクランクアップを迎えた。港の海沿いを一人で歩くラストカットの撮影終了後、スタッフから歓声を送られた高倉さんは「良い旅をさせていただきました。降旗監督も珍しく興奮していたので、それを見てぐっときました」と語り、「感慨無量です」と繰り返して喜びをかみしめた。佐藤浩市さん、草なぎ剛さんも高倉さんと同日にクランクアップした。
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映画は、北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉さん)が50歳を前に刑務所に慰問に来た歌手・洋子と結婚。2人は平穏で幸せな日々を過ごしていたが、洋子は53歳の若さで死亡。洋子が残した絵手紙には、スズメの絵とともに「故郷の海に散骨してほしい」と書かれていた。英二は妻の真意を知るため彼女の故郷を訪れることにする……というストーリー。原案は「夜叉」「あ・うん」のプロデューサーで08年に亡くなった市古聖智さんが残したもので、10年夏に降旗監督が、脚本家の青島武さんと物語を再構築した。
高倉さんと初共演した草なぎさんは「本当に舞い上がってすごく緊張していたんですが、高倉さんが緊張をほぐしてくださいまして、本当にスペシャルで貴重な体験と時間を過ごすことができて本当に楽しかったです」とコメント。83年の「南極物語」以来の共演となった佐藤さんは「ほぼ30年ぶりにお会いして、最初にごあいさつに行ったんですが、そのときに『がんばれよ。これからだぞ』とおっしゃって。30年やってきて『あ、これからなんだ』と改めてその言葉が新鮮でした」と話した。
撮影は、富山県を皮切りに岐阜県、兵庫県、福岡県、長崎県で行われ、各ロケ地での撮影の合間に都内近郊での撮影も行った高倉さんの総移動距離は約9000キロに及んだ。また、高倉さんは2カ月半の撮影期間中、自身の撮影がなかった日は1日で、その1日には長塚京三さんと原田美枝子さんのクランクアップのため、現場に顔を出すなど、全日程において撮影を引っ張った。(毎日新聞デジタル)
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