話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、地獄で閻魔(えんま)大王の第一補佐官を務める鬼神・鬼灯(ほおずき)がさまざまなトラブルに対処する日々を描いた江口夏実さんのマンガ「鬼灯の冷徹」です。「モーニング」(講談社)編集部の加藤大さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
272の細かい部署に分かれている広大な地獄で、膨大な仕事をサラリとこなす鬼神。それがこのマンガの主人公・鬼灯です。上司の閻魔大王にも一切容赦しない鬼灯の“ドSっぷり”が炸裂(さくれつ)するマンガですが、決して恐ろしいマンガではありません。人にとっての地獄。それは地獄で働く鬼たちにとっては日常。現世に生きる我々と変わらない、地獄の住人たちのわりかし楽しげな日常が展開していきます。読むと地獄の知識が身につくところも魅力です。
−−作品が生まれたきっかけは?
江口さんがちばてつや賞に応募してきた作品の中に、すでに鬼灯が出てくる1編がありました(単行本1巻の巻末に収録)。鬼灯のキャラクターがすごく魅力的だったので、鬼灯を主人公にしたネームを数本描いてもらったところ編集長のOKが出て即掲載。読者からの反応もよかったので週刊連載になりました。こんなにトントン拍子で連載まで行ったのは、江口さんのスケジュールを守る力によるところが大きいです。
−−編集者として作品を担当して、クスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
雑誌上や単行本の帯などでも鬼灯のことを“ドS”とあおっておいてなんなんですが、江口さんも担当の私も実は鬼灯が“ドS”だとは思ってないんです。鬼灯のキャラクターを一言で表すとしたら“ドS”ではなく冷徹です。“ドS”の方がキャッチーだろうということで確信犯的に使っていたのですが、すっかり鬼灯=“ドS”というイメージが定着してしまいました。でもこれからも“ドS”とあおっていくつもりです!
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
23日木曜に最新の単行本4巻が発売になります。表紙は鬼灯と人気を二分するキャラクター白澤です。「鬼灯の冷徹」の今後ですが、特に劇的なストーリー展開があるわけでもなく、これまで通りの地獄の日常が続いていきます。江口さんも「ネタには困らない」と頼もしいことを言ってくれていますので、鬼灯とゆかいな仲間たちの活躍をますます楽しみにしていただければと思います。
モーニング編集部 加藤大
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