俳優の高橋克典さんが9日、東京都内で行われた舞台「十三人の刺客」の制作発表会に坂口憲二さん、釈由美子さん、西岡徳馬さんら出演者らとともに登場。刺客のリーダー・島田新左衛門(しんざえもん)を演じる高橋さんは13年ぶりとなる舞台出演に「新人のつもりでいろいろ勝手は違うでしょうけど一からスキルアップしてやっていきたいです」と話し、舞台も時代劇も初挑戦だという坂口さんは「克典さんをはじめすべての皆さんに少しでも追いつけるように一生懸命頑張って立派な武士を演じられるようにしたいと思います」と意気込んだ。
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「十三人の刺客」は、江戸時代、12代将軍・徳川家慶(いえよし)の治世を舞台に繰り広げられる時代劇。オリジナル作品は片岡千恵蔵さんが主演を務め、池宮彰一郎さんが脚本を手がけた工藤栄一監督による63年公開の映画で、10年には役所広司さん主演の三池崇史監督によるリメーク版が公開されている。舞台では、鬼頭半兵ヱ(きとう・はんべえ)を坂口さん、新左衛門の妻を釈さん、新左衛門が最も信頼を寄せる倉永左平太を西岡さん、剣の達人・平山九十郎を山口馬木也さん、松平斉韶(なりつぐ)を袴田吉彦さんが演じるのをはじめ、春海四方さん、花王おさむさん、小林勝也さん、川村陽介さん、青柳翔さん、庄野崎謙さん、水橋研二さんらが出演する。
将軍の弟で明石藩主の暴君・松平斉韶(袴田さん)暗殺の密命を受けた御目付・新左衛門(高橋さん)は、すぐに同志を集め始めるが、斉韶の側用人・半兵ヱ(坂口さん)がその企てを察知。半兵ヱはかつて新左衛門と剣の腕を磨き合い、同じ女性に恋をした友であったが、主君を守るべく新左衛門の前に立ちふさがる……という内容。舞台の演出は「ローマの休日」などのマキノノゾミさんが行い、脚本は10年のコクーン歌舞伎「佐倉義民伝」の鈴木哲也さんがマキノさんとともに2人で担当。
マキノさんは映画の見どころの一つであるクライマックスシーンの殺陣について「舞台でやって絶対せこくなったとは言われたくない」と話し「何が何でも意地でもそうは思わせたくない」と熱く語り、それを聞いた高橋さんは「そう言われたらやるしかないじゃないですか」と気合を入れ「一太刀に命をかけてやっていこうかなと思います」と話した。また、坂口さんは「やっぱり難しいな」と感想をもらしつつ「一人でやるものではないので相手とお互いを信頼して大きく見えるような殺陣をやっていきたい」と語った。
また、高橋さんは当初は映像の仕事を突き詰めたいという理由で舞台出演を断ったというが「マキノノゾミさんだということと(事務所の後輩の)坂口君だということと共演の方がすばらしいということで、これはやって身を投じてみようかなと思いました」と出演を決意した裏話を披露。高橋さんは「家族もあり子供ができると独身者とちょっと縁遠くなる」と言いながらも「お互いに作品を見てちょこちょこ連絡を取り合ったり」と事務所の後輩である坂口さんとの交流について語り、「坂口さんは圧倒的な華があって。やるからには本気でやりたいという人なんで、舞台でとても映えるんじゃないかなと思います」と期待を語った。
同作品は東京・赤坂ACTシアターで8月3~18日、大阪・新歌舞伎座で8月21~29日に公演される。(毎日新聞デジタル)
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