ザ!世界仰天ニュース:放送12年 過激事件も“母”の目線で

「ザ!世界仰天ニュース」の魅力を語る日本テレビの島田美帆プロデューサー
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「ザ!世界仰天ニュース」の魅力を語る日本テレビの島田美帆プロデューサー

 笑福亭鶴瓶さんと中居正広さんが、世界中の出来事を再現ビデオで紹介する人気番組「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)が、6日から番組初となる4週連続の2時間スペシャルを放送している。さまざまなジャンルの“仰天ニュース”を紹介し続け、放送12年目を迎える人気番組の魅力を、プロデューサーの島田美帆さんに聞いた。

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 「ザ!世界仰天ニュース」は、世界中で起きたさまざまな出来事を再現ビデオで紹介。司会の鶴瓶さんと中居さんがスタジオゲストと繰り広げるトークの面白さも手伝い、01年の放送開始以来、絶えず新しいテーマを取り上げて人気を集めている。

 6日からスタートしている今回の4週連続スペシャルは、「エコ&心の闇(やみ)」「復讐(ふくしゅう)」「不思議体験」「恐怖&疑惑」と週替わりのテーマで放送。13日放送の「復讐スペシャル」では、謀殺された最愛の息子のために奮闘する母親の姿が紹介されるほか、20日放送の「不思議体験スペシャル」では、余命宣告を受け、延命治療をやめ、気ままに過ごした女性に起きた珍現象が取り上げられる。さらに27日放送の「不安な心&疑惑スペシャル」では、拒食症を克服したはずの女性を襲った意外な出来事が紹介される。

 「スッキリ!!」などの情報番組からドキュメンタリー、スポーツとさまざまな番組に関わってきたプロデューサーの島田さんは、番組の魅力を「やはりネタの選択がいいのでは」と分析する。「松山ホステス殺害事件」「地下鉄サリン事件」といった世間で話題を集めた事件から、ほとんど知られていない奇病まで、テーマとなる「ネタ」は広範囲にわたる。また、再現ビデオを作るためには、再現ドラマの撮影以外にも、リサーチから情報の裏取り、現地取材なども行うため、1本あたり3~4カ月以上かかってしまう。ともすれば時流に合わないものができるおそれもあるが、総合演出を担当する制作会社「厨子王」の石田昌浩さんが、時期に合ったネタを逃さずピックアップしているといい、島田さんも全幅の信頼を置いている。

 過激な事件や事故を扱うことも多いが、島田さんは「見せもののようにとらえてはいけない」と語る。4歳の息子を持つ母親でもある島田さんは、グロテスクな映像をはずすなど、「家族で見られるか」をいつも意識しているといい、「番組に慣れていくとなんでもOKになりがちなので、細かく配慮している」と語る。「救いのない話にもしたくない」と、事件の原因や背景、登場人物の人となりまで丁寧に取り上げるほか、ダイエット企画での太った人に対する言葉づかいから、家庭内暴力がテーマでも暴力シーンを映像に盛り込まないなど、繊細な部分まで配慮を欠かさないのは「母親」ならではの心配りだろう。

 一方で、司会を務める鶴瓶さんと中居さんの存在も大きな魅力だ。台本をほとんど読まず、長時間の特番でも打ち合わせは4、5分という「フリー」の鶴瓶さんと、特番がある時はわざわざ収録とは別の日に打ち合わせを行い、さまざまなアイデアも出すという「勉強家」の中居さんが進行するスタジオトークは絶妙で、2人は「NHK紅白歌合戦」の司会も務めるなど番組の枠を超えた広がりも見せている。

 「再現ビデオのクオリティーはどこにも負けない」と自信をみせる島田さん。4月に放送したオウム真理教の土谷正実死刑囚を取り上げた回は、地下鉄サリン事件当時生まれていなかった10代の視聴者の反響が特に大きかったといい、改めて「家族で見られる」番組の影響力を感じた。7月4日には、“鉄板”のダイエット企画「仰天チェンジ」も放送予定と、番組ではこれからも硬軟織り交ぜたさまざまな「ネタ」が飛び出してきそうだ。

 「ザ!世界仰天ニュース 4週連続2時間スペシャル」は13、20、27日午後9時に放送。(毎日新聞デジタル)

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