注目映画紹介:「プレイ 獲物」 意表をつく展開 仏スリラーの掘り出しもの

「プレイ 獲物」の一場面 (C)2011/BRIO FILMS − STUDIOCANAL −TF1 FILMS PRODUCTIONS − Tous Droits Reserves
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「プレイ 獲物」の一場面 (C)2011/BRIO FILMS − STUDIOCANAL −TF1 FILMS PRODUCTIONS − Tous Droits Reserves

 脱獄犯、性犯罪者、女刑事による三つどもえの追跡劇が展開する仏映画「プレイ 獲物」(エリック・バレット監督)が30日に公開された。フランス南西部に位置する町、コニャックで、毎年開催される「コニャック・スリラー映画祭」。ミステリーやスリラー、アクション映画を集めた祭典で、今作はそこで最優秀スリラー賞に輝いたという。映画祭の知名度はさておき、かなりの掘り出しものだ。

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 服役中の銀行強盗犯フランクは、盗んだ金のありかを巡って同じ刑務所にいる元仲間たちから脅しを受けていた。彼は、妻子の安全を考え、冤罪(えんざい)を訴えて釈放された同房者モレルに2人を託す。ところが、モレルが連続性犯罪者だったことが分かり、妻子の身を案じたフランクは決死の覚悟で脱獄、モレルを追う。一方、女刑事クレールは、フランクの後を追い始める……という展開。

 登場人物が多いわけではないが、どの人物もそれなりにカギを握っており、あとから思ってもみなかった形でそれぞれの“役割”を果たす。物語は筋が通っており、伏線もしっかり張りめぐらされている。意表をつかれながら、それがまったく唐突に感じない。終盤には思わず、「なんてこった」とうなったほどだ。序盤に出てくる小道具もまた重要な伏線を担っており、最後にそれに気づかされたときは、「そういえばそうだった」とつぶやきがもれた。

 主人公フランクを演じるアルベール・デュポンテルさんは、失礼ながら決して二枚目ではなく、どちらかというと悪人顔。一方のモレル役のステファン・デバクさんは、温和でいい人そう。ほかにも、女性刑事役のアリス・タグリオーニさんは美人、モレルの妻役のナターシャ・レニエさんは優しそう……そんな第一印象が、物語が進むにつれて変化し、本性が見えてくるあたりも面白い。監督は、三池崇史監督の「着信アリ」のハリウッドリメーク版「ワン・ミス・コール」のバレット監督が務めた。30日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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