映画「ゆれる」(06年)、「ディア・ドクター」(09年)で知られる西川美和監督(38)の最新作「夢売るふたり」が8日、公開される。結婚詐欺を繰り返すことになる夫婦を俳優の阿部サダヲさん(42)と女優の松たか子さん(35)が演じ、妻が企て、夫が女性たちをだましていく様子を描いた。阿部さんについて、西川監督は「分かりやすいきれいさではなく、えぐみのある色気がある人」と表現し、「本当にセクシー! セクシー太郎って呼びたい!」と大絶賛。一方で、阿部さんは「なんですか! セクシー太郎って」と突っ込みながらも、「これ、(記事の)見出しにしてもらってもいいですか」とユーモアたっぷり。そんな2人に撮影のエピソードなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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「夢売るふたり」は、東京の片隅で小料理屋を営んでいた夫婦、貫也(阿部さん)と里子(松さん)が主人公。火事ですべてを失ってしまった2人は、「自分たちの店を持つ」という夢をあきらめられず、再出発のために結婚詐欺を計画。妻が女たちの心の隙間(すきま)を見つけて計画し、夫が言葉巧みに女の懐に入り込み、だましていく。結婚したい独身の女性会社員(田中麗奈さん)、男運の悪い風俗店勤務の女性(安藤玉恵さん)、不倫で大金を手にした女性(鈴木砂羽さん)、孤独なウエートリフィティング選手(江原由夏さん)、幼い息子を抱えたシングルマザー(木村多江さん)らが標的だった。最初は思惑通りに進んでいた計画だったが、うその繰り返しはやがて、女たちとの間や夫婦の間にさざ波を立て始める……というストーリーが展開する。
20代前半のころから、「大人計画」で活躍する阿部さんを見てきたという西川監督。これまで、人をだます男、欺く男を描いてきたというが、「いつも(キャスティング時に)阿部さんって頭の中に上がってくる。でもちょっと違う、今回の役じゃないなって保留してた」とこれまでを振り返る。阿部さんには「いつか詐欺師の役をやってもらいたい」と思い続けてきたといい、今回それがようやく実現した。
不特定多数の女性をたぶらかしていく貫也。キャスティングでは、誰もが振り向く美男子という選択肢もあったというが、「よもやこんな人がだますはずはない」と思わせる“一般的な風貌(ふうぼう)”も詐欺を働く武器になるということもあり、今回は後者となった。「女の人の根っこをつかむような、そこをつかまれたら他の男じゃ替えがきかないような人」という阿部さんの印象に加え、松さんとの夫婦像を想像できなかったことも阿部さん起用の決め手となった。
阿部さんの印象を聞くと、西川監督は「もう最高ですよ、最高! あはははは!」と大絶賛。一方で、阿部さんは「もうやばいですね」と照れ笑いしながらも、「(西川)監督は、『こういう気持ちでこういうお芝居なんで、こうしてください』とか言う人ではない。答えが出されてないまま答えていって、何回もやっていくうちに、どれが答えか探っていくのが楽しかった」と撮影を振り返る。
貫也は、女性だけではなく、男性にも愛され共感されることで成り立つキャラクターということから、「阿部さんじゃないと、この貫也の感じって出ないと自信が持てる」と言い切る西川監督。阿部さん自身も「俺ってこういう表情するのか。へえ~」と思ったというほど、これまでにやったことのない挑戦的な役だった。阿部さんは、「(西川)監督だから引き出してくれたというか……。男の監督だとお互い照れが入ったり、笑いに逃げたり。とくに松尾(スズキ)さんとか宮藤(官九郎)さんとかだと……」と笑顔で告白した。
最後に、阿部さんは「こういう映画はあったほうがいいと思う。見て考えて話し合う題材としてすごくいいと思うので、いろんな方に見てほしい」とアピール。西川監督は、「映画は見てもらって映画になるので、どんどん大きく育ててもらいたい」と呼び掛けた。
<プロフィル>
阿部サダヲ(あべ・さだを)
70年4月23日生まれ、千葉県出身。92年から「大人計画」に参加。以降、同劇団の公演のほか、「朧の森に棲む鬼」「シダの群れ」などに出演。舞台・映画・テレビ・CMと幅広く活躍。主な出演作に、「医龍 ~Team Medical Dragon~」シリーズ(06~10年・フジテレビ系)、「マルモのおきて」(11年・フジテレビ系)、「平清盛」(12年・NHK)、映画「木更津キャッツアイ ~ワールドシリーズ」(06年)、「なくもんか」(09年)、「ぱいかじ南海作戦」(12年)など。主演映画「舞妓Haaaan!!!」(07年)で、日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞。そのほか、バンド「グループ魂」では、ボーカル“破壊”としても活躍中。
西川美和(にしかわ・みわ)監督
74年生まれ、広島県出身。大学在学中に是枝裕和監督作「ワンダフルライフ」(99年)にスタッフとして参加。その後、多くの監督の下で助監督などを経験。02年、「蛇イチゴ」でオリジナル脚本・監督デビューを果たし、第58回毎日映画コンクール脚本賞ほか、数々の国内映画賞の新人賞を獲得。06年、長編第2作となる「ゆれる」で、第61回毎日映画コンクール日本映画大賞、第49回ブルーリボン賞監督賞ほか、国内の主要映画賞を受賞。日本公開に先立って正式出品された第59回カンヌ国際映画祭では、日本から唯一の出品となり高い評価を得た。09年、長編3作目となる「ディア・ドクター」では、第33回モントリオール世界映画祭コンペティション部門正式出品、第33回日本アカデミー賞最優秀脚本賞など数多くの賞を受賞した。「夢売るふたり」は3年ぶり4作目の長編映画。
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