秋の連ドラ:米倉「Doctor−X」が大健闘 「相棒」、月9とともにトップ3が他を圧倒

高視聴率を獲得した「Doctor-X 外科医・大門未知子」で主演している米倉涼子さん
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高視聴率を獲得した「Doctor-X 外科医・大門未知子」で主演している米倉涼子さん

 民放の10月期の連続ドラマが出そろった。初回視聴率で及第点と言われる15%以上を獲得したのは、19.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を獲得した人気刑事ドラマの新シリーズ「相棒11」(テレビ朝日系)、18.6%を得た米倉涼子さんの主演ドラマ「Doctor−X 外科医・大門未知子」(同)、16.9%だった人気グループ「SMAP」の木村拓哉さんが主演する月9ドラマ「PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~」(フジテレビ系)の3作だった。以降は13.0~14.0%に6作品がひしめいており、上位3作品が他を圧倒する格好だ。

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 上位3作品の中でも大健闘しているのは、米倉さんが医師役に初挑戦している「Doctor−X」。天才的な勘と百戦錬磨の腕を持ちながら組織に属さないフリーランスの外科医・大門未知子(米倉さん)が、欲望と野望が渦巻く白い巨塔に挑んでいく……という物語だ。初回は午後10時5分に瞬間最高視聴率24.6%を獲得しており、平均視聴率の18.6%は、米倉さんがテレビ朝日系の「木曜ドラマ」(木曜午後9時)枠で主演した6作品の全話の平均視聴率を通して、最高の数字だった。「Doctor-X」は、2話も17%台をキープしている。

 一方、相棒シリーズは、10~11年に放送された「シーズン9」で全18話の平均視聴率20.3%、今年3月まで放送された「シーズン10」で全19話の平均視聴率16.6%を獲得した人気シリーズ。また、木村さん主演の連続ドラマも11年10月期の「南極大陸」(TBS系)が初回視聴率22.2%、10年4月期の「月の恋人 Moon Lovers」(フジテレビ系)が同22.4%を獲得しており、今回の「PRICELESS」も、高視聴率が予想されていた。

 メディア文化論が専門の稲増龍夫・法政大学社会学部教授は、米倉さんの「Doctor-X」が2位に食い込んだことについて「予想外だった。月9がクライマックスシリーズの裏で苦戦したとはいえ、米倉さんが木村さんに勝ってしまうほど、こんなに強いとは。こんなに数字を持っているんだと感心した。米倉さんの魅力としかいえない」と驚き、「セクシーさを強調したのもよかったのかもしれないが、テレ朝の木曜ドラマと米倉さんの安定感がこれで定着したのではないか」と話している。

 また「相棒」について「やはり安全パイ。事件を解決するだけでなく新相棒をこれからどうやって手なずけていくのか展開に興味がつきない。成宮寛貴さんの恋人役の真飛聖さんに注目している」、「PRICELESS」について「(主人公やヒロインの)伏線が張ってあって次回が楽しみ。テンポもよかったし、フジテレビの月9ドラマらしい王道の作り。次に数字が上がらなかったら、これからドラマはどういう人が見るんだろうと分からなくなる」とコメントしている。

 稲増教授は、さらに今後、期待したいドラマとして長澤まさみさん主演、湊かなえさん脚本の「高校入試」(フジテレビ系)と是枝裕和監督が手がけ、阿部寛さんが主演する「ゴーイング マイ ホーム」(関西テレビ・フジテレビ系)を挙げた。「ゴーイング マイ ホーム」については「第1話が淡々としすぎていて地味すぎる。これからどうなるのか。キャストが豪華で、これでよくなかったらどうなるのか。期待を込めて推したい」と話している。

 「相棒11」は毎週水曜午後9時、「Doctor-X」は毎週木曜午後9時、「PRICELESS」は毎週月曜午後9時に放送。「高校入試」は毎週土曜午後11時10分、「ゴーイング マイ ホーム」は毎週火曜午後10時に放送されている。(毎日新聞デジタル)

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