女優の稲森いずみさんがNHK大河ドラマ「八重の桜」で、綾野剛さん演じる松平容保の義姉・照姫役で出演している。会津の女性の憧れの“お姫様”で、容保にとって特別な存在だった女性を演じる稲森さんに、撮影の様子や見どころを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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ドラマは、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、後に同志社を創設した新島襄の妻となる新島八重(1845~1932)の生涯を描く。
稲森さん演じる照姫は容保の3歳年上の義姉で、1842年、子のない松平家に養女として迎えられる。10代にして書道や茶道、礼法、香道に通じ、特に和歌や琴を好んだといわれており、容保に和歌の手ほどきをするなど献身的に世話したことで知られている。ドラマでは、義弟・容保と会津への思いを強く持ち、八重ら会津の女性の憧れの対象として描かれる。
稲森さんが大河ドラマに出演するのは「篤姫」(08年)以来で、時代劇も久しぶりということもあり、撮影を前に「着物をずっと着ていなかったので、慣れるところから始めました。所作の先生の指導の下、基本的な歩き方や立ち方をおさらいしたり、以前出演した時代劇のDVDを見て、思い出しました」としっかりと準備をしたという。
撮影は、義弟を演じる綾野さんとの共演シーンが多く、稲森さんは容保と照姫の関係を「お互いが好きという解釈。秘めた思いがあると感じているので、剛くんとの撮影は不思議な空気が流れていますね。すごく近いけれど、一線を引いている。でも、通じ合っているという空気」と説明する。
綾野さんの印象は、「最初に容保の扮装(ふんそう)姿を見たときはツルツルしているなって感じました。普段はアンニュイでキレイなイメージ。繊細でピュア、まじめな印象です」と笑顔で語り、「(写真で残っている実際の容保と綾野さんは)似ているかもしれませんね。繊細で守ってあげたくなるところが……」と“姉目線”で印象を表現。また、綾野さんとは特別番組の収録で、物語の舞台である会津を訪れたといい、「今まで知らなかった会津の歴史や誇りをドラマを通じて知っていただきたいと感じた」とドラマへの思い入れが強くなったという
綾野さんとの共演が多い一方で、主演の綾瀬はるかさんら“女子チーム”との共演は少ないが、綾瀬さんとは「道場で八重がなぎなたを練習しているシーンで共演したのですが、楽しそうでした。私も(なぎなたを)やりたい!と思いました」と刺激を受けた様子。その綾瀬さんについて「会う前に持っていた印象と同じなんですね。優しくて、ホワホワしている。でも、しっかりとしていて、現場の雰囲気を作ってくれています」と座長ぶりに感心しているようだ。
激動の時代を生きた照姫は、ドラマの展開でも重要な役どころだ。稲森さんは今後の見どころを「容保と会津のために献身的になる芯の強さを出していきたいですね」とアピールしていた。
「八重の桜」はNHK総合テレビで毎週日曜午後8時に放送。(毎日新聞デジタル)
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