女優の高梨臨さんが、「ウルトラ」シリーズの原点となった空想特撮シリーズ第1弾「ウルトラQ」の新シリーズ「ネオ・ウルトラQ」(WOWOW)で、トラベルカルチャー誌のライター・渡良瀬絵美子役を演じている。特撮ヒーロー戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンピンク役で活躍した高梨さんだが「今回は戦わないので、せりふも普通。全然違うと思います。怪獣を通して、伝えたいことを伝えるだけ」という。「ネオ・ウルトラQ」の見どころ、共演者について聞いた。(毎日新聞デジタル)
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1月から放送中の「ネオ・ウルトラQ」は、円谷プロとWOWOWが共同制作。第1弾から47年後を舞台に、田辺誠一さん演じる心理カウンセラー・南風原仁(はいばら・じん)、尾上寛之さんが演じるバー「トビラ」のマスター・白山正平、高梨さん演じる渡良瀬絵美子の3人が、さまざまな怪獣・宇宙人たちと対峙(たいじ)する……というストーリー。先入観を持たずに演技をしたいと、前作「ウルトラQ」をじっくりと見ずに撮影に臨んだ高梨さんは「私の想像していたウルトラマンなどの世界観とは違ってすごく新鮮でした」と語った。
「ネオ・ウルトラQ」は現代を舞台にしているが、時代を感じさせないように作ってあるところにこだわりを感じるという高梨さん。「登場人物が使っている筆記具は万年筆だったり、わざと携帯電話を使わなかったり、(前作の)世界観を大事にしている」と説明した。今までやっていた特撮作品では「子供に魅力的に見せなきゃいけないので、カッコいい構えとかせりふとかがあった」というが、「この作品はちょっと特殊。怪獣と出合った普通の人間を、いかにリアルに感じさせられるか。『自然にやりたいよね』と監督やスタッフと話していた」といい、「よりドラマっぽく、リアルに演じることを意識しました」と熱を込める。
共演した田辺さんについて、高梨さんは「私の中で『ガラスの仮面』の紫のバラの人のイメージだったんですが、全然違う。すごくマイペース、でも人見知りで全くしゃべらないんです」と印象を語った。撮影を通していまではすっかり打ち解けたといい「すごく仲よくなっちゃって、(撮影が終わった)今はすごく寂しい。最後の方は、私を“モテる女”にするといっていて、アドバイスしてくれた(笑い)」と明かした。共演が3回目だという尾上さんとは「がっつりからむのは今回初めて。現場を明るくしてくれるような、ムードメーカー。私が自由に過ごしていると、尾上さんがいい感じにまとめてくれた。3人合わせるとちょうどいい」とチームワークもよかったという。
演じた絵美子は「好奇心がとにかくすごく旺盛で、私も同じなんです。でも私は打たれ弱いので、絵美子が好きなことに突き進んでいくところは似てないです」と語る。今では「お芝居をしていないと物足りなくなってきた。役に入っていないと自分しか存在しないのは逆にすごく違和感がある」といい、女優として演じる役については「私とは別の人なんですが、自分の心に寄り添っている」と演じる役への愛着を語っていた。
次回は、高梨さんの休日の過ごし方、プライベートなどを聞く。
<プロフィル>
88年12月17日生まれ、千葉県出身。08年に映画「GOTH」で主演デビュー後、09年スーパー戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンピンク役を演じ、活躍の幅を広げている。10年7月にテレビドラマ「宇宙犬作戦」(テレビ東京)でヒロインに抜てきされ、11年はNHK−ACジャパン共同キャンペーン「やさしい森」のイメージキャラクターに起用された。12年は石井岳龍監督の「生きてるものはいないのか」、カンヌ国際映画祭のパルムドールやベネチア国際映画祭グランプリを受賞した世界的な巨匠、アッバス・キアロスタミ監督の「ライク・サムワン・イン・ラブ」と主演映画が公開された。13年は、円谷プロの空想特撮シリーズ第1作のテレビドラマ「ウルトラQ」の新シリーズ「ネオ・ウルトラQ」(WOWOWプライム。毎週土曜午後9時)に出演中。メーンキャラクターの1人、トラベルカルチャー誌のライター・渡良瀬絵美子役を演じている。