M-1グランプリ2024 決勝戦
決勝戦 FIRST ROUND 前半戦 1~5組目
12月22日(日)放送分
民放テレビ局の4月期の新たな番組編成が出そろった。各局とも新番組をラインアップする中で、昨年プライム帯(午後7~11時)で視聴率トップを獲得したテレビ朝日は、好調をそのままキープし、ゴールデン(午後7時~10時)、プライム帯のバラエティー番組の改編はしない。一方で、視聴率3冠王を逃した日本テレビは、プライム帯に新たなバラエティー番組を複数投入し、プライム首位を奪還したい考えだ。各局の改編状況をまとめた。(毎日新聞デジタル)
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日本テレビの4月からの新編成は、12年の視聴率争いで唯一、テレビ朝日に首位の座を明け渡したプライム帯の強化と、TBSの独り勝ち状態が続いている日曜朝の時間帯の強化が柱となった。改編率は全日帯(午前6時~深夜0時)で15.6%、プライム帯で18.9%、ゴールデン帯で14.1%と比較的小幅だが、「遅れを取り戻して3冠を達成したい。4月クールで勝たないと年間勝負が厳しくなる。改編で成功させて底上げを図りたい」(小松良徳編成部次長)と「3冠王」奪還に意気込む。
昨年3冠を逃したことについて、同局は「新番組が苦戦した」(小松編成部次長)と分析しており、ゴールデン、プライムタイム帯には「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんが司会を務める「笑神様は突然に…」(金曜午後7時)や有吉弘行さんが司会の「有吉反省会」(日曜午後10時半)など新たなバラエティー4本を投入して強化を図る。
日曜朝の時間帯は現在、「がっちりマンデー!!」(日曜午前7時半)と「サンデーモーニング」(日曜午前8時)でTBSが高視聴率を維持しており、日本テレビは午前8時からの情報番組「シューイチ」の開始を30分前倒しして拡大するほか、土曜午後5時から放送されている人気番組「所さんの目がテン!」を09年まで放送されていた日曜午前7時の枠に戻すなど日曜朝をてこ入れし、TBSの独り勝ち状態を打破したい考えだ。
一方のテレビ朝日は、昨年プライム帯の視聴率トップを獲得した好調な流れもそのままに、改編率は全日で4.8%、ゴールデン帯で17.3%、プライム帯で13.0%と低水準にとどまった。プライム帯ではバラエティー番組の改編は行わず(ABC制作枠は未定)、新番組はドラマのみ。現在の番組編成への自信がうかがえる改編となった。
また、夕方の情報番組「スーパーJチャンネル」が、人気ドラマ「相棒」のリピート放送からの継続視聴の流れができていることもあって好調を維持しており、スタート当初は苦戦した朝の情報番組「モーニングバード」も好調なことから、全日帯でもミニ番組などの改編のみにとどまり、05年の4.7%以来の低い改編率となった。
そんな中で注目されたのが、日曜午後9時の「日曜洋画劇場」枠の名称を「日曜エンターテインメント(仮)」に変更し、映画のほかに大型特別ドラマや豪華バラエティーなどのエンターテインメント番組を放送するというリニューアルだ。映画の放送時には「日曜洋画劇場」のタイトルは残るが、「(洋画で)視聴率が取れなくなっている」(平城隆司取締役)という“洋画の苦戦”が背景にあり、映画とそれ以外の番組の比率は現在検討中だ。
かつては視聴率トップ争いの常連だったが、12年の視聴率で3位に甘んじたフジテレビは、4月の新編成では、フリーキャスターの大塚範一さんとフリーアナウンサーの西尾由佳理さんが初タッグを組む平日午後の新番組「アゲるテレビ」や豪華ドラマをラインアップした。視聴率の苦戦について同局の立松嗣章編成部長は「反省すべき点も多い。今は一個ずつ改善していく段階。とにかくフジテレビらしく。話題を作って前に進んでいくという姿勢を出していきたい。今年1年、フジテレビは前に進んでいく」と反転攻勢に向けて強い意志を示した。
注目を集めたのは、人気番組「料理の鉄人」を13年ぶりに復活させ、昨年10月にスタートした「アイアンシェフ」の終了だ。立松部長は「アイアンシェフは非常にクオリティーの高いフジテレビの宝といっていいコンテンツだが、視聴率的には苦戦しているのが事実。編成枠などの問題もあるかと思う」と理由を説明、今後は特別番組化などを検討するとした。
また、夕方の報道番組「スーパーニュース」の放送開始時間を20分前倒しし、4時半からのスタートに変更するなどのリニューアルする。「夕方のニュース戦争の中で、とにかく早く情報を出していきたい」(立松編成部長)と各局の中で“最速”スタートで勝負する。「裏に『相棒』(テレビ朝日系)という強いリピートがかかっている中で、ニュースという違うジャンルで切り崩していくという戦略的な意図」(荒井昭博編成制作局長)もあるという。
苦戦が続いていたTBSは、昨年10月期にゴールデン帯で5割を超える大幅な改編を実施。視聴率が落ち込んでいるバラエティー番組で、爆笑問題やネプチューン、ダウンタウンの浜田雅功さんらを司会に迎え、新番組4本をスタートさせ、今春以降の土台作りを進めてきた。同局の太田寛宣伝部長は「昨年秋は相当大きな改編だったが、少しずつ数字も回復している」と手応えを感じており、4月の改編は全日帯10.3%、ゴールデン帯26.3%、プライム帯26.9%という数字に落ち着いた。
昨年10月期にスタートした午後7時台の新バラエティー番組「私の何がイケないの?」(月曜)、「もてもてナインティナイン」(火曜)、「炎の体育会TV」(土曜)が成果を上げているといい、4月改編では、ファミリー層の獲得を目指したこれまでの方針を継続しながら、午後8時台に「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」(火曜)、「ジョブチューン~あの職業のヒミツぶっちゃけます!~」(土曜)などの新番組を投入し、「午後8時台のバラエティー番組の強化」を図る。
同時に、4月改編では「ニュース、ノンフィクション単発の強化」も掲げており、夜のニュース番組「NEWS23クロス」を「NEWS23」にタイトル変更し、新アンカーに岸井成格・毎日新聞主筆を起用するなどリニューアル。月~木曜で放送時間を8分拡大する。さらに、大型ノンフィクションスペシャルの「テレビ未来遺産」を毎月1回を目標に放送するといい、「未来に語り継ぐべき大切なメッセージ」をテーマに、さまざまなジャンルを取り上げる。
◇テレ東は“らしさ”追求で大幅改編 BSとの連携も
テレビ東京は、4月改編のテーマに「みんなで元気に!」を掲げ、他局との差別化やBSジャパンとの連携強化を柱に、“テレビ東京らしさ”を追求して視聴率アップを目指す。改編率は全日帯で23.0%、プライム帯が23.5%、ゴールデン帯で30.3%と大幅となった。
今回の改編では、月曜、火曜、金曜、土曜の午後7時枠の番組を午後6時半からのスタートに変更、ニュースを放送している他局との差別化を図る。現在、平日午後6時半~7時に放送中の子供向けバラエティー番組「ピラメキーノ」は平日午前6時40~45分に移動。また、BSジャパンで31日にスタートする「ヨーロッパ水風景」(日曜午後7時)を再構成してテレビ東京で放送(平日午前11時35分)するなどBSジャパンとの連携を目指す。
民放各局が特色を打ち出してきた4月改編。思惑が当たり、最後に笑うのはどの局だろうか。
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2024年12月23日 23:00時点
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