23~30日の8日間にわたって沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターなど県内各地で開催された「第5回沖縄国際映画祭」が30日、フィナーレを迎えた。期間中の来場者数は42万2000人、来場媒体数も150媒体約320人といずれも過去最多を記録した。会期中は比較的好天に恵まれ、映画上映の動員数も過去最高で、昨年は企業の出展ブースだった「コンテンツランド」が「体験をする楽しみを提供する街」をコンセプトとした「ラフピータウン」として大幅リニューアルしたことなどが動員数アップにつながった。今年で5回目を迎えた沖縄国際映画祭を振り返る。(毎日新聞デジタル)
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映画祭初日の23日、コンベンションセンター前ビーチステージで「レッドカーペット~オープニングセレモニー」が開かれ、俳優やお笑い芸人、映画祭関係者など約550人のゲストがレッドカーペットを歩き、集まった約5万3000人の観客に手を振ったり、呼びかけに応じたりした。特に映画「クロユリ団地」(中田秀夫監督)で主演した前田敦子さんが登場すると、観客は「あっちゃーん!」と悲鳴のような歓声を上げ、前田さんは「女優になれました」と笑顔を見せた。
800人収容のステージや約50の企業ブースが出展する屋内会場が、今年は「体験をする楽しみを提供する街」というテーマの「ラフピータウン」として大幅リニューアルし、連日にぎわいを見せた。ラフピータウンは、「劇場」「商店街」「沖縄ストリート」「吉本新喜劇カフェ」のエリアに分かれ、体験型テーマパークのような空間を追求。企業ブースも、「ハイキングウォーキング靴店」「スリムクラブの語学学校」など吉本興業のお笑い芸人をからめた形で出展し、街としての一体感が出るよう趣向を凝らした。「新喜劇カフェ」では吉本新喜劇の舞台を模したミニ新喜劇が1日に数回行われ、何回も訪れる“リピーター”も出るほど人気を博した。また、会場内のブースを回ってスタンプを集めると抽選会に参加できるスタンプラリーにも多くの子供たちが参加していた。
“次世代を担う人材”を発掘するプロジェクト「クリエイターズ・ファクトリー」が今回から新設され、実写、アニメーションなど、ジャンルやカテゴリーを問わない映像作品の制作に携わった監督、俳優、スタッフらを対象に、映画監督としても活躍する芸人の板尾創路さんら審査員が優秀なクリエーターを選ぶもので、「最優秀ニュークリエイター賞」に「おだやかな日常」のプロデューサーを務めた杉野希妃さんが選ばれた。同作で主演も務めた杉野さんは女優賞とダブル受賞となった。また、男優賞には自身の楽曲「Lucky Guy」のPVに出演した韓流スターのキム・ヒョンジュンさん、特別賞はアニメ作品「コーポにちにち草のくらし」の監督・脚本を務めた若井麻奈美さんが受賞した。
30日に行われたクロージングセレモニーの閉会後、ビーチでオールエンディングステージでフィナーレを迎えた。沖縄出身のお笑いコンビ「ガレッジセール」「スリムクラブ」の司会で、同映画祭の審査員でミュージシャンのデーモン閣下、4人組バンド「THE BOOM」らがライブを開いた。発表から20年を迎える「島唄」を熱唱した「THE BOOM」の宮沢和史さんは「島唄を歌い続けて20年たちます。今が一番この風を心地よく感じています。これからの20年は沖縄とともに歩んでいきたい」とあいさつして有終の美を飾った。
次回の「第6回沖縄国際映画祭」は2014年3月23~30日に開催予定。
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