G. I. ジョー:ジョン・チュウ監督に聞く スペクタクルが好き「映画を作る上でも冒険したい」

最新作「G. I. ジョー」について語ったジョン・チュウ監督
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最新作「G. I. ジョー」について語ったジョン・チュウ監督

 2009年のヒット作「G. I. ジョー」の続編「G. I. ジョー バック2リベンジ」が全国で公開中だ。世界を守る最強の機密部隊「G. I. ジョー」と、テロ組織「コブラ」がし烈な戦いを繰り広げるアクション巨編で、前作に引き続き出演するチャニング・テイタムさんやイ・ビョンホンさんに加え、今回はドウェイン・ジョンソンさんやブルース・ウィリスさんが登場する。メガホンをとったのは、3Dドキュメンタリー映画「ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー」(11年)を監督したジョン・チュウさん。それ以前には、「ステップ・アップ2:ザ・ストリート」(08年・未公開)などを監督しているが、ここまでの大作を手がけるのは初めて。どのような意気込みで臨んだのか来日時に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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 −−「ステップ・アップ」シリーズはダンス映画です。あなた自身、ダンス経験がおありのようですが、今回の作品にそういった経験は役立ちましたか。

 ダンス作品を監督して学んだことは、感情は肉体の動きで表現できるということ。台本で1段落ほどあるせりふを言わなくても、肉体で表現できることはあるのです。例えば、今回のドウェインの場合、彼が部屋に入って来るシーンでは、彼の感情がどういうものかを、カメラの効果的な使い方も考慮しながら演出していきました。

 −−ヒマラヤ山脈での忍者たちのアクションシーンは見どころの一つですが、あそこのアイデアはどのようにして生まれたのでしょう。

 あそこの脚本は当初2ページしかありませんでした。それを私がフィギュアを使って、部屋の中のソファやテーブルの上で、こういう動きをしようとか、こうしたいとかスタッフといろいろ話し合いながらふくらませていきました。忍者を交差させたり、重力に反して戦うアクションもそこから生まれました。

 −−あなた自身が子供時代、G. I. ジョーのフィギュアを使って遊んでいたとのことですが、そのときのことを思い出しましたか。

 もちろんです。子供のころは、フィギュアを道路や砂に埋めて遊ぶことで満足していましたが、今回はブルースやドウェイン、さらにビョンホンといった“ホンモノ”を動かせたのです。これ以上素晴らしいことはありません(笑い)。

 −−ウィリスさんを演出するのはどんな気分ですか? 

 もちろん、最初は恐怖心がありました。でも幸いなことに、ブルースもそうですが、ドウェイン、ビョンホン、みな素晴らしい役者で、僕自身は彼らに何一つ虚勢を張る必要はなかったのです。彼らは僕にやりたいことをやってみなさいという寛容な心で接してくれたし、仮に僕が失敗してもちゃんとフォローしてくれた。彼らは本当に素晴らしい役者であり、素晴らしいリーダーです。

 −−撮影で困難だったシーンはどこですか。

 最後の方の、ジョナサン・プライス演じる大統領と、各国の首脳が半円形のテーブルを囲んで核兵器について話し合う場面です。ああいった場面は、裁判の陪審員を思い起こさせます。僕自身、法廷ものはつまらないと思っていたので仕上がりが不安でしたが、ジョナサンという素晴らしい俳優のお陰で、よいシーンになりました。

 −−法廷ものに興味はないのですか?

 監督として(演出が)退屈だと思ってしまうんです。もちろん、いつの日か興味を持てるようになるかもしれませんが……。

 −−いまはアクション映画の監督の方がいいのですね。

 僕は、スペクタクル作品を見て、一緒に冒険するのが大好きなんです。だから、映画を作る上でも冒険がしたいんです。

 −−影響を受けているスペクタクル作品や監督を教えてください。

 ウォルト・ディズニーにスティーブン・スピルバーグ。彼の「E.T.」(1982年)や「インディ・ジョーンズ」(84年)、「ジュラシック・パーク」(93年)には影響を受けています。あとはロバート・ゼメキスの作品。クウェンティン・タランティーノの世界観もユニークで好きです。

 −−79年生まれのあなたの年齢からすると、随分小さいころから映画を見ていたのですね。

 そうですね。僕は5人兄弟の末っ子なんです。両親が集中して世話を焼けるのは、1度にせいぜい1人か2人。残る子どもたちは、自分たちで映画を見たり、おもちゃで遊んだりしていました。映画はテレビでもたくさん見たし、劇場にも行きました。そういった経験が、僕の想像力をたくましくさせたのかもしれません(笑い)。

 −−作品を楽しみにしている人にメッセージをお願いします。

 この映画は、忍者をはじめ戦車や、ほかにも驚くようなものがたくさん出てきます。先ほどもいいましたが、僕はスペクタクル作品が大好きです。僕が作ったスペクタクル作品を、みなさんにも楽しんでもらいたいです。しかもこれは3D。臨場感も味わえると思います。

 <プロフィル>

 1979年米カリフォルニア州生まれ。子どものころからダンスと音楽に目覚める。家族旅行を撮影することから始め、高校では学校の記録ビデオなども手掛けた。南カリフォルニア大学映画芸術学部在学中に作った短編「SILENT BEATS」(01年)が同大学の若手監督に与えられる奨学金を得るなどし注目される。商業監督デビューは08年のダンス映画「ステップ・アップ2:ザ・ストリート」(未公開)。この作品でティーンズ・チョイス賞を受賞し、「ステップ・アップ3」(10年・未公開)の監督、「ステップ・アップ4:レボリューション」(12年・未公開)の製作を担当した。11年に監督した3Dドキュメンタリー映画「ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー」が今作の監督抜てきにつながった。

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