「きみに読む物語」などの原作者として知られるニコラス・スパークスさんの小説を映画化した「セイフ ヘイブン」が全国で公開中だ。「サイダーハウス・ルール」(1999年)や「HACHI 約束の犬」(2009年)などで知られるラッセ・ハルストレム監督が手掛けた。原作と監督のこの組み合わせは、10年の作品「親愛なるきみへ」に続き2度目となる。
あなたにオススメ
朝ドラ「ばけばけ」徹底特集! 高石あかりがヒロインに
長距離バスで米ノースカロライナ州サウスポートの港町にやって来たケイティ(ジュリアン・ハフさん)は、町の雰囲気が気に入り、そこにとどまることにする。ウエートレスの職を得て、森の中でキャビン暮らしを始めた彼女は、雑貨店を営むシングルファーザーのアレックス(ジョシュ・デュアメルさん)と、やがて愛し合うようになる。しかしケイティには、他人にいえない過去があった……という展開。
スパークスさんといえば、「泣ける恋愛小説家」として知られ、これまでもたびたび恋愛小説が映画化されてきた。それらは往々にして男女のいずれかが不幸に見舞われ、必ずしもハッピーエンドにはならなかった。だから今回もおなじみのパターンなのかと思っていた。ケイティがとどまることにした町が、クルーザーが停泊し、カモメが飛びと、いかにもスパークス作品にありそうな場所であったことも、その思いを強くさせた。
ところが、今作は良識ある大人の男女が恋に落ちる。このケイティとアレックスの2人が愛を育んでいくスピードが、歯がゆいほどノロい。いい年をした大人が、そんなに段階を踏んでどうする?といいたくなるほどじれったく、かつ、手を握りたいのに握れない砂浜でのデートだったり、アレックスがケイティを肩に担いで急ぐ雨の中のシーンだったり、こちらが照れるようなベタな恋愛シーンがところどころに盛り込まれ、ジリジリしながらも、つい作品に引き込まれてしまうのだ。そのあたりの観客の心のつかみ方は、ハルストレム監督はさすがに上手だ。
と、のんきに構えていたら、「ええっ?」と驚く結末が待っていた。本筋に気をとられ、傍系をすっかり忘れていた中でのエンディング。まさかそう来るとは……。スパークス作品の映画化には、よくも悪くもたびたびノックアウトされていたが、今作は驚き度、感動度ともに一番かもしれない。26日よりヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほかで全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌の制作会社、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
映画「シン・ゴジラ」のソフトビニール製フィギュア「Gザウルス ゴジラ(2016)覚醒熱線放射Ver.」(プレックス)が発売される。2万7280円。
12月29日に発表された26~28日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、ディズニー・アニメーション「ズートピア2」(ジャレド・ブッシュ監督・バイロン・ハワード監督…
映画「ゴジラ」とアニメやゲームなどが人気の「デジモン」がコラボしたフィギュア「東宝大怪獣 ウォーグレイモン:“G”侵食モード」(プレックス)が発売される。3万7400円。
俳優の中村雅俊さんが12月15日、都内で開かれた映画「五十年目の俺たちの旅」の原作本「噴水 五十年目の俺たちの旅」の出版を記念したトークショーイベントに登場。映画の 原作・脚本を…
歌手で俳優の福山雅治さんが12月29日、東京都内で開催された「映画ラストマン -FIRST LOVE-」(平野俊一監督、公開中)を記念した“ラストマンデー”舞台あいさつに登場。大…