注目映画紹介:「ハロー!純一」 型破りな教育実習生を満島ひかりが好演 小学生無料

「ハロー!純一」の一場面 (C)2012 Nice Rainbow/Ishii Katsuhito
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「ハロー!純一」の一場面 (C)2012 Nice Rainbow/Ishii Katsuhito

 「スマグラー おまえの未来を運べ」(2011年)や「鮫肌男と桃尻女」(1999年)で知られる石井克人監督の最新作「ハロー!純一」が15日に公開された。好きな女子に借りた消しゴムを返せないような内気な小学生男子を主人公にしたコメディー。型破りなギャル系教育実習生役を、満島ひかりさんが演じ、テーマ曲「愛なしでは息もできない」も歌っている。そのほか、森下能幸さん、我修院達也さん、津田寛治さんなど石井組の俳優が脇を固めている。

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 純一(加部亜門さん)は弱気でちょっとおどおどした小学生。いつも仲よし6人組でつるんでいる。優等生の前田さん(芽奈さん)に片想い中だ。ある日、クラスにとんでもない教育実習生・アンナ先生(満島さん)がやってきた。ミニスカ、ピンヒール、巻き髪で、授業中に彼氏の話をしたり、校舎裏で喫煙したり。でも、担任のアチキタ先生(森下さん)はきれいなアンナ先生に夢中で、気を引こうとする。アンナ先生に振り回される純一たちだったが、あることがきっかけで次第に打ち解けはじめる。やがて、最近元気のない仲間の倉本(堀田燿平さん)のためにイベントを決行すべく、協力し合うようになる……という展開。

 純一の小学生生活は、原っぱあり、川ありののどかな環境の中で、仲よしの友だちとふざけたり、好きな女性を遠くから見つめたりして、ごくありきたりの平和に満ちていた。だが、そこへやって来たのは型破りな教育実習生のアンナ先生。異質なものをぶち込むことで起きる波紋は、やがて仲間を元気づけたいという純一たちの行動へとつながっていく。

 満島さんは石井監督の「スマグラー」でも演じた役をそのままスライドしたような、教師や保護者が眉をひそめそうなキャラのアンナ先生を、人情味あふれる性格もにじませながら思い切り演じている。子どもたちも、弾丸トークとエネルギッシュな動きで元気いっぱい。純一役の加部さんは、「にほんごであそぼ」(NHK Eテレ)や劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」で幼年期の雨の声を演じるなど今後が楽しみな子役だ。大きな目で驚いた表情が可愛らしくて印象的。なお今作は「子どもたちに映画館の楽しさを知ってもらいたい」という趣旨で自主映画として作られ、小学生以下は無料(20歳以上の成人の同伴が最低1人必要)で入場できる。15日からイオンシネマ幕張新都心(千葉市美浜区)、新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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