ハン・ヒョジュ:「MIRACLE~」に出演 男性の「好きなものに一生懸命取り組んでいる姿」にキュン

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 人気グループ「嵐」の相葉雅紀さん初の単独主演作「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」(犬童一心監督)が公開中だ。今作は、山下達郎さんのヒット曲「クリスマス・イブ」をモチーフにした中村航さんの小説が原作で、男女4人のすれ違う思いやクリスマスの夜に起こる奇跡を描いている。相葉さん演じる主人公・山本光が「運命の人」と思い込む女性のテ・ソヨンを演じた韓国の人気女優のハン・ヒョジュさんに、日韓の撮影現場の違いや犬童監督の印象、共演者たちとのエピソードなど話を聞いた。

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 ◇犬童監督のイメージギャップに驚く

 今作が日本映画初出演となったハンさんだが、撮影現場の雰囲気について、「大きな違いも感じませんでしたし、違和感を感じることもなかった」と日韓での違いはなかったという。韓国映画が登場人物の感情を表に出すような作品が数多い中、「そういった映画ももちろんあると思いますが、すべてがそうだとは思わない。映画によっても現場によっても違いがあります」と見解を述べ、「そういった意味で今回初めて撮った日本映画が、ささやかで小さな日常を描いているものではありますが、演技においては日本映画だからこんなふうに変えなければ……といったようなことは考えませんでした」と変わらぬスタンスで臨んだことを明かす。

 メガホンをとったのは韓国でも人気が高い犬童監督だ。ハンさんは最も好きな犬童監督作品として「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)を挙げ、「私も含め、たくさんの韓国人の方も好きな作品」と語る。そして「犬童監督の作品といえば『ジョゼ~』のイメージが強く、静かに心の中で深く入ってくるのが魅力だと思う」と理由を説明。犬童監督自身については、「アーチスティックで、クールなあまり、しゃべらないというイメージ」を抱いていたというが、「実際にお会いしたら全然違いました」と笑い、「よくしゃべる方で、そのため演技をする時にリラックスさせてくれました。また一緒に作品をやりたいです」と語る。

 ◇他国の言葉での演技に苦戦

 ハンさんが演じているのは、世界的な照明アーティストのソヨン。主人公の光に一目ぼれされていることに気付かず、ナチュラルに男心を揺さぶるような演技もある。ハンさんは男心をくすぐる演技は「特に意識はしていなかった」とのこと。「光にとって、『この人は運命の人だ』と考えられるような女性だから」とソヨンの思わせぶりなしぐさを分析し、「犬童監督の演出が素晴らしかったのだと思います」と感謝する。

 映画には、レトロな外観をした光の自宅をはじめ、日本的な風景などが数多く出てくるが、「風鈴の音やてるてる坊主というのは日本的なものだったので、とても新鮮でした」と話し、特に「てるてる坊主は見たこともなかったので、初めてでとても不思議でした」と特に印象に残っているという。光とソヨンの2人で訪れる居酒屋も日本的だが、「(映画に出てくるような)雰囲気の居酒屋は多分、韓国にもあるかな」と感じた。その居酒屋のシーンでは、「少しアドリブが入っています」とハンさん。「『マショウ、マショウ』というせりふがあるのですが、日本語では『飲んで、飲んで』」の意味」と切り出し、「相葉さんがマショウを『どこのマンション?』という部分はアドリブでした」と笑顔で打ち明けた。

 また日本語だけでなく英語のせりふもあり、「ほかの国の言葉で演技することはやっぱり難しい」といい、「今、言っていることが合っているかどうか分からないし、発音とかも気になって難しかった」とその理由を語るも、完成した映像を見て、「正直、足りない部分もあるけれど、好きな部分もある。難しかったけれど、(自分の中に)残ったものがたくさんある作品になった」と反省しつつも手応えを感じたようだ。

 ◇相葉雅紀の仕事ぶりに感銘

 今作では相葉さんはじめ、高橋杏奈役の榮倉奈々さん、北山一路役の生田斗真さんらと共演。「同じぐらいの年でみんな優しくしてくれて楽しかった」と笑顔を見せ、「現場に行くのが本当に楽しくて、一日一日が過ぎていくのがもったいないという気持ちになりました」と充実感をにじませた。相葉さんらとコミュニケーションをとる中、「みんな同じ俳優さんだから、国が違ってもあまり変わらないことがあるんだと思った」と感じ、相葉さんと生田さんについて「2人とも本当にすてきでした」と語る。

 相葉さんを「『こんな人もいるんだ』と思うぐらい、びっくりするほどいい人」と評し、「一生懸命に自分の仕事をする姿が本当にすてきで、見習いたいと思いました」と演技に取り組む姿勢に感銘を受けたという。元恋人役を演じた生田さんに対しては、「共演する時間が短かったのが残念」としみじみ語り、「本当に演技がうまいと感じた方なので、いつか機会があったらまたぜひ、共演してみたい」と熱望する。

 恋愛がテーマの作品だが、ハンさん自身は男性のどのようなところにキュンとくるのか。「自分が好きなものに情熱を持って一生懸命に取り組んでいる姿」と恥ずかしそうに答えたハンさんに、さらに4人の中で共感できるのは誰かと質問。「ソヨン役を演じましたが杏奈に共感した」といい、「杏奈の気持ちに入って映画を見ました。榮倉さんの演技が素晴らしくて杏奈の切なさを感じられ、(見ていて)杏奈の気持ちになることができた」と榮倉さんの演技を絶賛。

 お気に入りのシーンも杏奈に感情移入したからか、「杏奈がソヨンと似ている服を着て光とレストランに一緒に行くシーンの中で、杏奈の表情から(切なくてやるせない気持ちが)本当に伝わってきて心に残っています」と語った。「応援してあげたい気持ちで映画を見ました」と出演者ながら杏奈視線で映画を楽しみ、登場人物の誰かに感情移入しながら見る楽しさをアピールした。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1987年2月22日生まれ、韓国清州市出身。2006年にドラマ「春のワルツ」で注目を集める。「華麗なる遺産」や「トンイ」などがヒットし、人気女優となる。映画は「ただ君だけ」(11年)、「王になった男」(12年)、「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」(12年)などでヒロインを務め、「監視者たち」(13年)で第34回青龍映画賞・主演女優賞を受賞。今年3月に初のフォトブック「ひざしほうへ」を日本で発売し、話題となった。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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