小新井涼のアニメ考:“アニメ考”の総括と分析

研究室でアニメを考える小新井さん
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研究室でアニメを考える小新井さん

 週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴し、アニメを使った町おこしのアドバイザーなども務める“オタレント”の小新井涼さんが、アニメにまつわるさまざまな事柄についてつづります。第12回は、連載1周年を記念してこの1年について振り返ってもらいます。

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 早いもので、「小新井涼のアニメ考」も今月で一周年を迎えることができました。まだまだ未熟者である自分がこうして連載を続けさせていただけるのも、閲覧してくださったみなさん、そしてこの機会をくださったまんたんウェブさんのおかげです。今回は初めての節目ということで、感謝の気持ちと共にこの一年を振り返ってみたいと思います。

 1年前と比べて何より変わったのは、アニメのために引きこもる場所が“自室”から“大学院の研究室”になったことです。今いる大学院への受験を連載開始の意気込みと共に決意したのがちょうど去年の今ごろだったのもあり、現在そこでアニメ研究のための勉強ができているというのは感慨深いものがあります。

 オンエア中のアニメを約100本全視聴という習慣も連載前と比べて変化してきました。

 編成期ごとに放送中の作品の記事を書かせていただけたことで、作品単体ではなくクール全体の特色や相違点を探し、感動を文章で伝えるために「これをみてどうして心が動かされたのか」を考えるという、難しいながらもさらに真剣にアニメと向き合うきっかけをいただけたからです。かといって視聴が義務的・職務的になることもなく、むしろ自分にはアニメ愛がまだまだ足りなかったのだと痛感できたことで、アニメに対する探究心もさらに増すこととなりました。

 また、アニメ全体について振り返ってみると、「二次元と三次元の距離がより近づいている」と感じた一年でした。

 アニメとテーマパークのコラボによるリアル系イベントのバリエーションも増えました。「進撃の巨人」のVR(仮想現実)アトラクションや劇場版の4DX上映も実際に体感しましたがどちらも衝撃的でしたね。

 目の前に広がる360°を超えたVRの世界や、味覚以外の五感をキャラたちと共有するという4DXでの経験はまさに「二次元が来い」が実現したかのような出来事で、長年私たちを邪魔していたモニターという名の壁を超えられる日も近いのではという希望を抱かせてくれたのです。

 こうして振り返ってみると、たった1年の間にもアニメへの接し方、考え方が大きく変化したこと、そしてそれはアニメ自身と、このコラムを続けさせていただくことで起きた変化だというのを改めて実感することができました。

 これも全て、皆様の閲覧、毎回お忙しい中ご指導くださる担当さん、連載のきっかけをくださった関係者の方々がいてくださったからこそです。改めまして、本当に本当にありがとうございました。

 ここだけの話、アニメ中心の生活にしすぎて大分人間らしさと(もともと少ない)社交性を失った気がする一年でもありましたがそれもいっそ本望です!これからも二次元を正座待機しつつ三次元を徐々にベイルアウト……したいと思ったのですが、まだまだみたいアニメがたくさんあるので現実世界で頑張ります。

 2年目もさらに気合を入れてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

◇プロフィル

 こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。

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