タワーレコード新宿店のアニメ担当バイヤー・樋口翔さんが、アニソンの売れ筋や販売現場の生の声をお伝えする「新宿アニソンスコープ」。洋楽の聖地として知られるタワレコの中で、アニソンが充実し、巨大なPOPの展示やインストアライブを開くなど業界注目の新宿店の29～5日の1位は、大ヒット中の劇場版アニメ「ラブライブ！ The School Idol Movie」の挿入歌で、劇中アイドルグループ「μ’s（ミューズ）」のシングル「Angelic Angel／Hello，星を数えて」でした。

あなたにオススメ

「豊臣兄弟！」では池松壮亮が！　大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る

　◇先週の結果

　「Angelic Angel／Hello，星を数えて」は、μ’sの3週連続シングルリリースの第1弾。「Angelic Angel」は、劇場版の公開前からプロモーションビデオにも使われていた曲で、メンバーに着物を着せ、扇子を持たせたジャケットにも象徴されるように“和”の要素が盛り込まれた新機軸の曲です。「Hello，星を数えて」の方も劇中で効果的に使われており、映画館で劇場版を鑑賞したその足で店舗に寄り、シングルを買っていく方も非常に多かったと思います。結果として2位を大きく突き放す“ぶっちぎり”の1位になりました。

　「ラブライブ」関連では、5月に発売したμ’sのベストアルバム「μ’s Best Album Best Live！ collection 2」が5位にチャートインしており、これも完全に劇場版効果ですね。シングルと一緒に買っていく方が目立ちました。チャートインこそしなかったのですが、他の旧譜も売り上げが好調で、「ラブライブ」の圧倒的な人気を感じることができました。

　2位には声優の小野大輔さんのミニアルバム「Doors」が入りました。店頭でのプロモーションにも力を入れていた作品で、ミュージカルっぽさを僕個人として感じていて、いい意味で聴きやすい。今回のチャートアクションは固定ファンに支えられてのものでしたが、もっと幅広い層に楽しんでもらえるんじゃないのかなと思っています。3位に入った藍井エイルさんのアルバム「D'AZUR」と、4位に入った小山田圭吾さんのソロユニット「コーネリアス」による劇場版アニメ「攻殻機動隊　新劇場版」のサントラ盤は、ロングセラーの兆しを見せています。アーティストに対する信頼感の表れで、アニメ専門店にはないタワレコならではの結果なのかなとも思いました。

　◇今週の動向

　劇場版アニメ「ラブライブ！ The School Idol Movie」3週連続シングルリリースの第2弾となるμ’sのシングル「SUNNY DAY SONG/?←HEARTBEAT」が間違いなく1位になるでしょう。「Angelic Angel／Hello，星を数えて」との“ワンツー”の可能性もありますね。11日に公開される細田守監督の新作劇場版アニメ「バケモノの子」のサントラ盤は、週末の興行成績に大きく左右されそうですが、注目の作品です。

　◇タワーレコード新宿店アニソンコーナーランキング

1位　「Angelic Angel／Hello，星を数えて」　μ’s　シングル

2位　「Doors」　小野大輔　アルバム

3位　「D'AZUR」　藍井エイル　アルバム

4位　「攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T. by Cornelius」　Cornelius　アルバム

5位　「μ’s Best Album Best Live！ collection 2」　μ’s　アルバム

6位　「あなたを保つもの／またうごく」　坂本真綾／Cornelius　シングル

7位　「TVアニメ／データカードダス『アイカツ！』3rdシーズン 挿入歌ミニアルバム 『JOYFUL DANCE』」　AIKATSU☆STARS！　アルバム

8位　「プリパラ ミュージックコレクション」　Various Artists　アルバム

9位　「TVアニメ『響け！ユーフォニアム』キャラクターソング Vol．1」　黒沢ともよ　シングル

10位　「エボリューション・イヴ」　QUARTET NIGHT　シングル

※左から順に、タイトル、アーティスト

　◇プロフィル

　樋口翔　タワーレコード新宿店7階（邦楽・販売促進）アニメ担当バイヤー。2014年に町田店から異動。