夕張市で29日に閉幕した「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」(ゆうばり映画祭)で、期待の映画人に贈られる「ニューウェーブアワード」男優部門を受賞した俳優の勝地涼さん。8月には30歳になる勝地さんに、30代を迎えるにあたっての心境の変化や今後のビジョンなどについて聞いた。
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30歳というひとつの節目を目前に、“新しい波(ニューウェーブ)を起こしてほしい映画人”に贈られる賞を受賞した勝地さん。受賞は「(その人への)期待感を込めた賞なので、すてきな賞だなと思った。ありがたいな、と」と感謝の思いを口にする。特定の作品というわけではなく、近年の活躍を総合的に評価されての賞といい、映画に舞台にテレビに……とフィールドを選ばず活動する勝地さんにとって、うれしい思いもひとしおだ。「ドラマで得たものを映画に持っていったり、舞台で得たものを映画に持っていったり、その三つが回るように成長していきたいなと思っていたので。この作品で、とかではなく勝地涼を呼んでいただいたのは(うれしい)。新しいものを見せられるように頑張っていかないと」と気合を入れる。
最近は求められる芝居の種類も20代前半のころと比べると、やや変わってきた。勝地さんは「生きていくことだったり、仕事のことだったり、自分が成長しているように役も大人の役に変わっていくので、落ち着くという感覚がなくて。(仕事では)常にそわそわするし、わくわくもする」と語る。
だが、自分が“売れている”という実感はないと勝地さん。「むしろもっともっと、という気持ちが強くて。でも、焦っても意味がないし、現状あるものに向き合っていかなきゃいけないと思っている」と語る。以前に比べて、もっともっと、という気持ちは日々大きくなっている。特に30歳が間近になった現在はそうした意欲が強い。「今年から、もっと自分から動いていきたいと思っていて。現場に入るときにもうちょっと持ち寄るものを増やすとか、動きを出せたらなと……」と心境の変化を明かす。
昨年ぐらいから「俺、30歳か、ぐらいは思っていた」という。「今のままでは30歳の役はやれないなと思ったりするし、成長しないといけないと思う」と胸中を吐露し、「30歳で父親の役とか、先生とか、やってもいいはずだけど、なかなかなかった。そういう役をもっと広げていきたい。そういう役ができるようになるには、自分に足りないものがあるなと思っている」と語る。
「10代のころなんて嫉妬だらけでしたよ」という勝地さんだが、今は周囲の役者仲間をみて、“ないものねだり”をすることもなくなった。「なんでこの人がこの役やって俺じゃないんだろう、とか、なんでこの舞台に俺が立ってないんだろう、とか、今はそんなに思わなくなった」と胸の内を明かす。そうした意識はハタチを過ぎてからなくなったといい、「そのときぐらいから、やっぱり自分のことを見ていくしかないという気持ちになった」と語る。
近年は、2013年に大ヒットしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で強烈な“チャラい”キャラクター「前髪クネ男」を演じるなど、コメディー色の強い役柄にも挑戦している。脚本を担当した宮藤官九郎さんと出会ったことで勝地さんは「(仕事も)どんどん“前髪クネ男”色が強くなり……」と笑い、「(宮藤さんに)真面目な役もやりたいので、真面目な作品の主役(の脚本)を書いてください、と言ったらゲラゲラ笑ってた(笑い)。でも、手にマジックで書いてたから、今後あるかもしれないですけど」と宮藤さんとの仲の良さをうかがわせるエピソードも。なお、宮藤さんとのコンビは芝居のみにとどまらず、宮藤さんプロデュースで「歌・勝勝次郎」として「お風呂はぬるめの勝次郎」でCDデビューも果たすなど、多方面へ広がりをみせている。
幅広い役をこなし、理想的な形で30代を迎えつつある勝地さん。今後の目指すビジョンを聞くと、「まさか歌を出してる自分は想像できなかったし、舞台をやってる自分も想像できなかった。と考えると、ビジョンというよりは、いろんな可能性を考えていきたいなと思っている」と答えてくれた。「受信だけじゃなく発信していきたい。なんでもいいんですけど、たとえばラジオをやってみるとか。すべて役者(の仕事)に返ってくると思っているので、いろんなことにチャレンジするのが今の目標ですね」と力強く語っていた。
かつぢ・りょう。1986年生まれ、東京都出身。映画「亡国のイージス」(2005年)で第29回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。映画は「バンクーバーの朝日」(14年)、「クローズ EXPLODE」(14年)ほか出演多数。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016でニューウェーブアワード受賞。
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