つんく♂:「徹子の部屋」に“筆談”で出演 「今までと違う人生。やりがいある」

「徹子の部屋」に出演したつんく♂さん(左)と黒柳徹子さん=テレビ朝日提供
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「徹子の部屋」に出演したつんく♂さん(左)と黒柳徹子さん=テレビ朝日提供

 喉頭がんの治療で声帯を摘出した音楽プロデューサーのつんく♂さんが、21日に放送されたトーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系、月~金曜正午)に11年ぶりに出演し、MCの黒柳徹子さんと番組史上初めてパソコンを使った“筆談トーク”を展開した。つんく♂さんは「本当にこの1年は人生の新たなる一回生として歩いていたなと思っています」「今が幸せという言葉が100%正しいわけではないんです。でも、なんか今までと違う人生は、これはこれで楽しめるというか、やりがいがあるなって思ってます」と心境を明かした。

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 番組はつんく♂さんが打ち込むパソコンの画面を、スタジオに設置したモニターに映し出す形で進行。つんく♂さんは「声帯を摘出するとものがのどを通らなくなる、徐々に慣れてくるんですが、最初はごま粒でも引っかかるような、ごま粒的な大きさのものが入り口をふさぐとそのあと何も入らなくなる。鼻から水分から何から逆流してくる。赤ちゃんになったようなそんな日々で、もう食べるのも面倒になっていた」と手術後の生活も告白した。

 また、2015年4月に母校の近畿大学で入学式に出席して新入生にメッセージを贈った様子や声帯摘出手術の前日に妻に送ったメールなども紹介。入学式を控えてうまく食事をとれずに痩せていた当時、「妻に後輩たちにエールを送るんでしょ、なのにそんなにげっそりしてたら逆に生徒があなたの心配をすると言われて、そのあたりから頑張って毎日ちゃんと食べるようになった」というエピソードも明かした。さらに、昨年末の「第57回 輝け!日本レコード大賞」で作曲賞を受賞した楽曲「うまれてきてくれてありがとう」をギター演奏して、歌手のクミコさんとともに披露。演奏前には「(ザ・)ベストテンには出られなかったけど、徹子さんの前で演奏できるので、なんか楽しみです」と心境を明かして、黒柳さんを喜ばせていた。

 番組の最後で、つんく♂さんは「本当にこの1年は人生の新たなる一回生として歩いていたなと思っています。これまでは、歌でも何でも、口を使って、声を使って伝えてきたので、簡単に済ませていたことに今はすごいエネルギーを使い、それでも頭の中にあるものの半分も伝わらないこともありますが、だからこ見えてくる場面もたくさんあった」と明かし、「今が幸せという言葉が100%正しいわけではないんです。でも、なんか今までと違う人生は、これはこれで楽しめるというか、やりがいがあるなって思ってます。なので、僕にできることを探して、世の皆様と共有できたらと思います」と前向きな姿勢を見せていた。

 黒柳さんは「あなたのような才能のある方が、声が出なくなるなんて、神様もひどいって思いましたけど、あなたの話を聞いてると、それにはそれだけのいろんないいことがいっぱいあったんだなと(思った)」と明かし、「これだけのスターだった方が、大きなものを失っても、こうやって生きていく姿をテレビで見せる。平気っておっしゃってくださったこと本当うれしく思っています。こんなふうにつんく♂さんにお目にかかれると思っていなかったので、本当に心の底からうれしい」と喜んでいた。

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