注目映画紹介:「アイアムアヒーロー」 大泉洋&有村架純が終末的状況に挑む スリルと恐怖が快感に

映画「アイアムアヒーロー」のメインビジュアル (C)2016 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会(C)2009 花沢健吾/小学館
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映画「アイアムアヒーロー」のメインビジュアル (C)2016 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会(C)2009 花沢健吾/小学館

 花沢健吾さんの人気マンガを基に、大泉洋さん主演で実写化した映画「アイアムアヒーロー」(佐藤信介監督)が23日に公開される。謎の生命体「ZQN(ゾキュン)」があふれる世界を舞台に、主人公のマンガ家アシスタント・鈴木英雄や女子高生の早狩比呂美らが懸命にサバイバルする姿を描いている。英雄を大泉さん、比呂美を有村架純さんが演じるほか、長澤まさみさん、吉沢悠さん、岡田義徳さんらが出演し、先の読めない展開で楽しませる。

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 マンガ家アシスタントの鈴木英雄(大泉さん)は35歳で、同居する恋人のてっこ(片瀬那奈さん)とは破局寸前という平凡な毎日を送っていた。ある日、英雄が徹夜仕事を終えて帰宅すると、てっこは異形の姿に変わっていた。謎の感染の影響で人々は次々とZQNという生命体に変わっていき、日本中がパニックに陥ってしまう。必死に逃げる英雄は途中、女子高生の早狩比呂美(有村さん)と出会い、標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山へと向かうが……というストーリー。

 原作は、平凡な日常が特異な状況が発生することで、突然サバイバル生活を送ることになるという想像をはるかに超える展開で話題を呼んでいる。その魅力を映画では大胆に取り込み、凝縮させたため、完成度が高い。衝撃的で究極まで挑戦した潔さもあり、ドキリとさせられる描写もあり、だがどこか爽やかさも感じさせる。ZQNが登場するシーンをはじめ恐怖や絶望感にあふれる世界観だが、そんな重みをものともせず、どこかユーモラスさを感じさせる大泉さんの演技が秀逸で、ダメ男な英雄が変わっていくさまを見事に体現している。ZQNとの壮絶なアクションシーンは迫力十分で、原作は連載中でありながら、すっきりとまとめ上げられたストーリーも心地いい。23日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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