俳優の長澤まさみさんが映画「このごにおよんで愛など」(11月27日公開)で主演することが3月31日、明らかになった。長澤さんが主人公・詩(うた)、柄本佑さんが詩の夫・杜夫、石橋静河さんが詩の恋人・潤奈を演じる。詩に杜夫と潤奈が振り回されながら、3人が織りなす一筋縄ではいかない多様な“愛”の物語がつむがれる。ティザービジュアル、特報映像が解禁された。
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メガホンをとったのは、是枝裕和監督や西川美和監督が設立した制作者集団「分福」に所属し、2人の監督助手を務めてきた新鋭の広瀬奈々子監督。長編映画第2作のオリジナル作品となる。監督は「もっといろんな家族の形があってもいいんじゃないかという思いから生まれました」と語る。
絵本作家の主人公・詩を演じる長澤さんについて、小出大樹プロデューサーが「初めてせりふを読んでもらった際に、瞬く間に詩が現れた」と語るほど、自由奔放に振る舞うけれどどこか憎めない、わがままでチャーミングなキャラクターを見事に演じている。長澤さん自身も「理想とか現実とか、正義感みたいなものが混ぜこぜになっていて、それでも、彼女の素直な態度や、素顔が周りを吸引(する)」と詩について話している。
気遣いができ料理が得意な一面と、古き良き家族観の間で揺らぐ詩の夫・杜夫役を演じる柄本さんは「不器用な欲しがりさんたちがお送りする愛に関する映画」と今作を表現している。石橋さんは、自身が演じる詩の恋人で、担当編集者でもある潤奈について「不器用で、ハリネズミのように棘(とげ)があって、でも心の中には子どものような柔らかさを秘めた人」と詩に不満を抱きながらもいちずな愛情と強い芯を持つ女性を演じた。
3人が同じ作品に出演するのは初めてだが、それぞれ共演経験があり、撮影ではチームワークの良さを見せていたという。広瀬監督も「編集中にもこの3人でよかったと作品が喜んでいるように感じる場面があり、改めて幸せを噛(か)み締めています」と手応えを感じている様子だった。
既存の価値観にとらわれない作品を作りたいという監督の思いから、ホウ・シャオシェン監督の後期作品や「台北暮色」(ホアン・シー監督)などの撮影監督を担ってきたヤオ・ホンイーさんをはじめ、撮影と照明に台湾スタッフが参加し、日台合作映画となった。撮影は昨年9~10月に行われ、すでに完成している。
30秒の特報映像、ティザービジュアルも解禁。特報映像は詩の「変なこと想像しちゃった。3人でこの家に住むの」というせりふから始まり、詩が杜夫にも、潤奈へも、好きだと奔放に気持ちをぶつける姿が描かれる。そんな詩のことを、2人は「わがまま」「いい加減」「だらしない」「欲張り」と言いながらどこかうれしそうで、音楽を担当するシンガー・ソングライターのHIMI(佐藤緋美)さんが手がける劇中曲に乗せて、わがままで、ずるくて、いとおしい詩のキャラクターと物語の一端が垣間見える。なお、HIMIさんは映画の主題歌を担当したことはあるが、作品全体の音楽を手がけるのは初めて。
ティザービジュアルは映画「怪物」(2023年)や「ファーストキス 1ST KISS」(2025年)などで印象的な一瞬を切り取った写真家、末長真さんによる3人の関係性を見事に表したカットを、映画「爆弾」(2025年)、劇場版アニメ「ルックバック」(2024年)を手がけた吉良進太郎さんがデザインした。
長澤さんらのコメント全文は以下の通り。
詩ちゃんの矛盾した行動の中には、理想とか現実とか、正義感みたいなものが混ぜこぜになっていて、それでも、彼女の素直な態度や、素顔が周りを吸引していき、“こんなのもアリかもしれない”と思わせてくれました。監督のみぞ知る世界を、迷い、探し、うねるように、静河さんと佑さんと過ごし、それでも、私たちは自然にその場にいることができました。愛に助けられた、そんな感覚でした。映画の中でもずっと探している、皆さんにとって愛ってどんな形なんでしょう? どうか、映画を楽しみにしていてほしいです。
「このごにおよんで愛など」の先にどんな言葉が続くのか? そんなことを考えながら今作の撮影に臨んでいました。「無駄」なのか「ナンセンス」なのか、はたまた「……でも欲しい!」なのか? 今作を見終わった方の心にどんな言葉が紡がれるのか、とても気になります。不器用な欲しがりさんたちがお送りする愛に関する映画。ぜひお楽しみください。
初めて脚本を読んだ時、まったく違う正義を持った3人が時に激しくぶつかり、時に互いに寄りかかりすぎたり……この3人はどこに行ってしまうのだろう?!とハラハラドキドキしたのを覚えています。潤奈という役は、不器用で、ハリネズミのように棘(とげ)があって、でも心の中には子どものような柔らかさを秘めた人でした。まさみさん、佑さんとのお芝居は、とても頼もしく、心地よい時間でした。台湾の撮影チームの眼差しは、とても柔らかかった。広瀬監督が一から描き、そしてキャスト・スタッフみんなで作り上げたこの物語が、たくさんの人の心に届くことを祈っています。
はじめて原案を書いたのはコロナ禍のクリスマスでした。以来、わがままで、ずるくて、だけどいとおしい主人公を形づくるために、脚本の執筆に苦戦してきたわけですが、長澤まさみさんを主演にお迎えして、そんな苦労などすっかり忘れてしまうほど魅力的なキャラクターが誕生しました。さらに柄本佑さん、石橋静河さんが加わり、ちょっぴりいびつな関係を紡ぎながら、想像以上にきらめく瞬間に立ち会うことができました。編集中にもこの3人でよかったと作品が喜んでいるように感じる場面があり、改めて幸せを噛(か)み締めています。
このお話は、もっといろんな家族の形があってもいいんじゃないかという思いから生まれました。愛などと大仰な題を掲げてしまいましたが、誰かを好きになったり、家族を持ちたいと思ったときに起きる障壁や、女性に起きる問題、夫婦間の溝を丁寧に拾い上げ、軽やかにお届けできたらと思っています。
撮影は台湾のヤオ・ホンイーさんにお願いしました。海外の眼から見える東京が映し出されているのではないかと思います。公開まで楽しみにお待ちください。
広瀬監督から提案いただき、初めて脚本を読ませてもらった際に、丁寧に書き上げられたひとりひとりの登場人物の可笑(おか)しみや苦悩する姿がとても魅力的だと感じたのを覚えています。フィクションとはいえ過度なキャラクターとはせずに映画にしようとする監督の想(おも)いを形にして、多くの人にこの作品を届けたいと思いました。
主人公の絵本作家・詩を、どなたが演じてくださるのだろうかと脚本を作っているときは感じましたが、長澤まさみさんにお会いし初めてせりふを読んでもらった際に、瞬く間に詩が現れたと感じました。となりに座る監督を見ると、うれしそうに目を細めて笑みを浮かべていたことはいまでも忘れられません。長澤さんをはじめとした素敵な俳優の方々に今作に参加いただき、彼女たちが紡ぐ会話劇をいつまでも見ていたいと、リハーサルの時から何度も感じました。キャスト、スタッフの皆さんと一丸となってコミュニケーションをとりながら作り上げました。劇場に足を運んでいただき、楽しんでいただければと思います。
映画「このごにおよんで愛など」特報映像
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