小澤征悦:海外で活躍も「ベースは日本」

「アメリカ・ワイルド」日本版のナレーションを担当する小澤征悦さん
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「アメリカ・ワイルド」日本版のナレーションを担当する小澤征悦さん

 米国の国立公園の絶景を巡るドキュメンタリー映画「アメリカ・ワイルド」(グレッグ・マクギリブレイ監督)が21日、公開される。オリジナル版は米俳優のロバート・レッドフォードさんがナレーションを担当したが、日本版は俳優の小澤征悦さんが担当する。小澤さんに作品の魅力や話題になっている海外の活動について聞いた。

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 ◇声だけの仕事は難しい

 映画は米国の国立公園制度が生誕100周年を迎えたことを記念して製作。イエローストーン国立公園やヨセミテ国立公園などの大自然を登山家のコンラッド・アンカーさんたちが徒歩やマウンテンバイクで回る姿が描かれている。オリジナル版では、レッドフォードさんがナレーションを担当したこともあり、小澤さんは「自分がやっていいのか?とびっくりした」という。

 小澤さんはこれまでのナレーションや朗読の経験から、「声だけの仕事は難しい」と感じていたという。NHKラジオの「朗読の時間」で村上春樹さんの「遠い太鼓」の朗読をした時は、一日6時間の収録を6日間続けたこともあり、「その時に声の仕事の難しさ、読むスピードの大切さを感じた」と苦労したという。

 また、オリジナル版のレッドフォードさんのナレーションを聞いて「オリジナル版を見たら、あんまり抑揚を付けていないし、派手なことをしていない。経験値のある人はあまりやりすぎないんですね。でも、見えてくるものがある。難しいことなのですが」と考えたという。収録では「派手なことはやめようと考えた。素晴らしい映像にぶつかってしまわないように、地に足を付けるようにした。人間がいかに小さく、大自然がいかに大きいかということを大切にしようとした。大自然に対する畏敬の念を感じながらやろうとしました」と意識したようだ。

 収録は苦労も多かったというが「ハマる瞬間が分かる時があるんですよ。声や間が映像とぴったりハマることがある。その時はうれしいですね」とも話す。

 ◇海外では日本人として戦う

 小澤さんは米ドラマ「クリミナルマインド: ビヨンドボーダーズ」に出演するなど海外での活躍も話題になっているが、「ベースは日本です」と話すように、活動の拠点を海外に移すわけではないようだ。「日本でちゃんと仕事をして、チャンスがあれば、向こうの作品に挑戦したいと30代半ばくらいから考えていた。40代から10年間くらいは挑戦した方がいいという思いでやっています」と説明する。また「ルーツを無視することは考えていない。海外では日本人として戦う。海外に染まってしまい、中途半端になってはいけない」という思いもあるという。

 「言語が違うのは大きなハードルで、(海外で生活して)死なない程度に英語はしゃべれるのですが、英語ができても、英語で芝居できるわけではない」と苦労も多いようだが「最初に海外で撮影した時の初日は心拍数がすごくなるくらいの緊張感だった。専門用語が何を言っているのか分からなかった。このシーンの撮影が終わったのかも分からなかったんです。ただ、2日目からは大体、分かってきた。海外の現場でも、自分が18年くらい日本でやってきたことと同じことをやっている。これならできる!と光が見えた」とも語る。

 海外での経験を「苦労はしていますが、得るものだらけです。気付かずにやってきたことを気付かされることもある」と話す小澤さん。日本はもちろん、海外での活躍も期待される。

 「アメリカ・ワイルド」は21日に109シネマズ二子玉川(東京都世田谷区)ほかで公開。

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