三遊亭円楽さんがプロデュースし、東西の人気、実力派の落語家が集まる「博多・天神落語まつり」が10回目を迎え、今年も3~6日の4日間、FFGホール(福岡市中央区)などで33公演もの落語会(うち1公演は鹿児島市で開催)が行われる。プロデュースを手がけてきた円楽さんに聞いた。
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「博多・天神落語まつり」は、「どこかに東西の(落語家の)交流、いや東西じゃない、とにかく、落語家の主立ったところが集まれる場所があること、顔を合わせることが大事だと思うんです。こういう時代だから」という円楽さんの呼びかけに、東西のベテランから若手までが応え、年に一度の大きなイベントに成長した。今年も東西60人以上の落語家が出演するが、その顔ぶれは豪華。落語に詳しくない人でもなじみの顔が勢ぞろいする。
東京からは、桂歌丸さんをはじめ、笑点メンバーの林家木久扇さん、三遊亭好楽さん、三遊亭小遊三さん、司会の春風亭昇太さん、24時間マラソンを完走した林家たい平さん。紫綬褒章受章が決まった五街道雲助さん。そして、春風亭小朝さん、林家正蔵さん、立川志の輔さんに立川談春さん。さらには、柳家喬太郎さん、柳家三三さん、立川談笑さんに、若手の春風亭一之輔さん、古今亭文菊さん、桂宮治さんらが出演。
上方からは、桂文枝さんを筆頭に、桂ざこばさん、笑福亭鶴光さん、月亭八方さん、桂文珍さん、桂南光さん、そして笑福亭鶴瓶さんらが登場する。
円楽さんは「東京で残ってるのは(林家)三平ぐらいなもんで……」と笑わせるが、落語家にとっても、普段なかなか顔を合わせない先輩、後輩、同期と競演する数少ない機会だ。
「現場で同じ空気を一回一緒に吸う大事さってあると思う。そして、落語家が、切磋琢磨(せっさたくま)でもないなあ、交流? うーん、なんでもいいんだけれども、要は集まってワイワイ言ってるところで、何かが生まれる。それこそ、お互いに高座を聴いてみたら、東西の会、若手の会をやりたいなという(落語家の)動きも出ているし。若手もつながりができて、自分たちで『東京呼んでください』『大阪呼んでください』ってやってるのがいい。これが次世代の育成につながると思う」と円楽さん。
「今考えているのは、博多(・天神落語まつり)のパッケージを組み直して、、各ホールや各事務所がばらけてやっている会を日本全国、同時に何パターンかでもって回れるようにできればと。六代目(円楽)襲名で全国回ったんですが、その後に同じような日程で回った落語家から、『ボロボロだった』と言われて……」と将来の夢も話してくれた。
既に完売の会もあるが、当日券も出るので、最新情報はホームページ(http://rakugomatsuri.com/rakugo_program.html)で確認のこと。
また、FM福岡では4日午後1時半から7時まで「博多・天神落語まつり 10周年おめでとうスペシャル」を放送。円楽さんをはじめ、小遊三さん、昇太さん、志の輔さん、たい平さん、喬太郎さんといった落語家が代わる代わる登場する予定。パソコンやタブレット、スマホから、radiko(ラジコ=http://radiko.jp/)のエリアフリー(有料)で全国から聴くことができる。当日、福岡へ行けない人はラジオで雰囲気を楽しめそうだ。(油井雅和/毎日新聞)